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No.790
2014/11/02 (Sun) 01:20:29

原田マハさん「キネマの神様」読了しました。

驚くくらいよかったです…。ホント、驚きました。うん、驚いた。
というのも、彼女が書かれた話題作はどうもあまり楽しめたことがなくて…。
「まぐだら屋のアリア」は結構好きです。アーティスティックなものより、こういう路線の方が琴線に触れるんでしょうね…。タイトルはイロモノですけど、「まぐだら屋のマリア」の内容はイロモノじゃないです。老舗料亭の見習いだった主人公がある事件に巻き込まれ仕事を辞め、絶望の中で「まぐだら屋のマリア」に出会う話です(適当だなおい)。

さて、「キネマの神様」。
タイトル通り映画をめぐる人々や彼らのおりなす空間、繋がりの話です。
一流企業で課長職を務めた40手前の女性が仕事を辞め、転職したのは小さな老舗映画雑誌社のライター。それは心臓の手術を終えたばかりのギャンブル依存症で映画を愛してやまない父親の影響だった。彼の映画メモは朴訥でしかし妙な味わいがあり、その文章が人目に留まったことでブログが開設された。その名も「キネマの神様」。そこから奇妙な交友が始まるのだった――。

話の核に行くまでが少し長かったけれど、そこからは夢中になって読みました。
父親の書く文章の味わいは、とても愛嬌があり、茶目っ気があり、楽しかったです。少し時代を感じさせる文章がまたとても心地よくて、映画が好きなんだといのが全面に伝わって、主人公の歩や同僚たちが読んで得た感動を、追体験できるのがとても素敵でした。

中心はゴウvsローズ・バッドになっていきます。
この奇妙なやり取りに、胸が躍りました。お互いの感想をぶつけあい、一つ一つの映画に込められた意味を探っていく――。
個人的には面白ければいいじゃない、そんな小難しいこと考えないでも、と思うのですが、深い意味を知ることで新たな一面を垣間見るときの目から鱗が落ちたような風景の変容は誰しも体験したことがあるのではないでしょうか。二人の交友を通して、物語の中の読者たち、そして現実の読者たちは目から鱗がボロボロボロボロ落ちていくことでしょう。

そして衝撃あり、感動ありの展開!

小説だからこその展開。
これぞエンターテイメントといったお話で、大変美味しゅうございました!

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