※個人の趣味によるブログです。基本的に本を読んでます。
No.795
2014/11/15 (Sat) 21:38:54
読了「泣き虫しょったんの奇跡 サラリーマンから将棋のプロへ」。
わたしの中でボードゲーム縛りが始まりました。ちゃんちゃん。
いや、面白かったです!!
将棋のプロって奨励会と言うプロ養成所に入会したプロ予備軍が切磋琢磨し、26歳までに四段にならなければなりません。つまり年齢制限があり、四段からがプロ。その他の門戸は開かれていませんでした。
プロになった後もA級、B級1組2組、C級1組2組、と実力でクラス分けされていて、超一流のA級はたったの10人という厳しい世界です。
この本はノンフィクション。
作者の瀬川昌司さんが自らプロ棋士になるまでを綴っています。
瀬川さんは奨励会員になりましたが、その頃の三段リーグと呼ばれる勝ち残った者だけが四段(プロ)に昇れる試験を通ることが出来ないまま、26歳になり将棋界を一度去った若者の一人でした。
奨励会に入れば昇段こそがすべて。中卒や高卒の人がわんさかいて、プロになれなかった人はそこから外の世界に放りだされます。作者の瀬川さんもその一人でした。どんなにその瞬間がみじめで空虚で絶望的だったかも書かれています。将棋をやめたことも。
そしてそこからの再生のことも。
しかし奨励会で四段になる以外にプロになる道は開けていません。しかし今はプロ棋士として活躍しています。どういうことが起きたのか、そして彼が投じた一石が将棋界に与えた広がりも、書かれていました。
この人ものすごく文章がうまいんだけどなんで、というのが第一印象でした。いや、本当に。ゴーストライターなのかと疑う程でした。ノンフィクションだけどドキュメンタリータッチではなくて、小説なのがいいです。
幼少期からプロになり、執筆当時まで。文章力の謎の片りんも少し書かれています。
外の世界を知らないって、怖いことですよね。
自分が知っている世界がすべてで、それが正しいと思ってしまいがち。しかし心の中ではそのことへの葛藤や外の世界へのあこがれがある。某近隣国が思い浮かびました。
将棋界も中学生程で人生を決めてしまい、そこからは将棋がすべてになる場所です。息詰まる瞬間は必ずあり、そして打ち込めなくなる期間や、年齢制限に焦りを覚えるとんでもなく恐ろしい場所です。そこを去ることは、とてつもない恐怖を伴うはずで、先人の背中を見て、必死にしがみつく者が何人もいます。
作者はしがみついていた手が離れてしまった一人でした。絶望と焦りと不安が混じったそこからの人生と、外の世界に一歩踏み出したことでの失ってしまった時を取り戻す楽しさと、視野が広くなったからこそ将棋を見つめ直すことが出来き、おびえながら指していた時には忘れてしまった楽しさを思い出すくだりには感動しました。
好きだったことを仕事にしたことで、知らなきゃよかったことってたくさんあると思います。
でも好きなことだからこそ、やっぱり頑張れることも多いはずです。嫌いになりきれなくてやっぱり好きと認めるのも勇気がいることだと思います。
そして世の中をかえる行動を起こすことも。
そして、そうやって世の中を変える人には、必ず支えてくれる人がいます。そういう人がいるのは、その人が本気で頑張っているからです。
勿論将棋のプロを目指している人が読めば色々と共感できるところが多いとは思いますが、それ以外の人でも、誰が読んでも本気で頑張ることの大切さ、好きなことに真剣に向き合うことの素晴らしさは誰にとっても共通のはずです。
とても素敵な一冊でした。
わたしの中でボードゲーム縛りが始まりました。ちゃんちゃん。
いや、面白かったです!!
将棋のプロって奨励会と言うプロ養成所に入会したプロ予備軍が切磋琢磨し、26歳までに四段にならなければなりません。つまり年齢制限があり、四段からがプロ。その他の門戸は開かれていませんでした。
プロになった後もA級、B級1組2組、C級1組2組、と実力でクラス分けされていて、超一流のA級はたったの10人という厳しい世界です。
この本はノンフィクション。
作者の瀬川昌司さんが自らプロ棋士になるまでを綴っています。
瀬川さんは奨励会員になりましたが、その頃の三段リーグと呼ばれる勝ち残った者だけが四段(プロ)に昇れる試験を通ることが出来ないまま、26歳になり将棋界を一度去った若者の一人でした。
奨励会に入れば昇段こそがすべて。中卒や高卒の人がわんさかいて、プロになれなかった人はそこから外の世界に放りだされます。作者の瀬川さんもその一人でした。どんなにその瞬間がみじめで空虚で絶望的だったかも書かれています。将棋をやめたことも。
そしてそこからの再生のことも。
しかし奨励会で四段になる以外にプロになる道は開けていません。しかし今はプロ棋士として活躍しています。どういうことが起きたのか、そして彼が投じた一石が将棋界に与えた広がりも、書かれていました。
この人ものすごく文章がうまいんだけどなんで、というのが第一印象でした。いや、本当に。ゴーストライターなのかと疑う程でした。ノンフィクションだけどドキュメンタリータッチではなくて、小説なのがいいです。
幼少期からプロになり、執筆当時まで。文章力の謎の片りんも少し書かれています。
外の世界を知らないって、怖いことですよね。
自分が知っている世界がすべてで、それが正しいと思ってしまいがち。しかし心の中ではそのことへの葛藤や外の世界へのあこがれがある。某近隣国が思い浮かびました。
将棋界も中学生程で人生を決めてしまい、そこからは将棋がすべてになる場所です。息詰まる瞬間は必ずあり、そして打ち込めなくなる期間や、年齢制限に焦りを覚えるとんでもなく恐ろしい場所です。そこを去ることは、とてつもない恐怖を伴うはずで、先人の背中を見て、必死にしがみつく者が何人もいます。
作者はしがみついていた手が離れてしまった一人でした。絶望と焦りと不安が混じったそこからの人生と、外の世界に一歩踏み出したことでの失ってしまった時を取り戻す楽しさと、視野が広くなったからこそ将棋を見つめ直すことが出来き、おびえながら指していた時には忘れてしまった楽しさを思い出すくだりには感動しました。
好きだったことを仕事にしたことで、知らなきゃよかったことってたくさんあると思います。
でも好きなことだからこそ、やっぱり頑張れることも多いはずです。嫌いになりきれなくてやっぱり好きと認めるのも勇気がいることだと思います。
そして世の中をかえる行動を起こすことも。
そして、そうやって世の中を変える人には、必ず支えてくれる人がいます。そういう人がいるのは、その人が本気で頑張っているからです。
勿論将棋のプロを目指している人が読めば色々と共感できるところが多いとは思いますが、それ以外の人でも、誰が読んでも本気で頑張ることの大切さ、好きなことに真剣に向き合うことの素晴らしさは誰にとっても共通のはずです。
とても素敵な一冊でした。
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