※個人の趣味によるブログです。基本的に本を読んでます。
No.662
2014/02/02 (Sun) 23:12:16
源泉徴収票が見当たらない…(汗)。
先々月、法事関係で母の実家へ帰る日に手にしたのですが、ドタバタしていたため、たしかそのまま(封筒に入ったまま)手荷物のバッグに入れて飛行機に乗って…としたはずです。
で、それからどうした…?
会社関係のモロモロを入れているファイルも片付けていたら、「そういえば源泉徴収票…」と思い出してからの、顔面蒼白です。たしか、こっちに戻ってきてすこしたってから、会社の封筒を一つ「あ、これ中身確認した奴だから」と思って中身を再確認せず捨てた覚えがあって…。それだったらどうしよう、というのが現段階、今ここ、ってやつです。もう少し探して見つからなかったら再発行してもらうか、給料明細を計算するしかないですね…。再発行は社会人としての自覚に欠けますし、ほかにも色々あって頼みにくなあ…。
さて、そんな社会人的な話はおいておいて。読んだ本のことも語りたいのですが、ネタを一先ず。
Blue Man(Blue Man Group)ってみなさんご存じ、ですよね?
アメリカに拠点を置く、顔に青いペイントを施した3人組が、サイレント喜劇を行うヤツです。
あ、この日記のタイトルは中国語っぽくしてみましたが、デタラメです。
↑こういう人たちが3人並んで行われるショウです。
(※この写真の両側には私と母がいるので、思いっきりカットしたのですが最低限の画質のためやむを得ず少し残ってしまいました)
(※私はNYで観劇。劇終了後、エントランス付近に出演者が出てきてくれるので、その際に写真を頼めます)
「メロディを付けずに"Happy Birthday To You"を歌え」(電光掲示板に指示が流れます)
だとか
「Late ナントカ」と言って、遅れて入ってきた観客がいたら、ブザーが鳴りそれまでの劇が一旦終止され、その遅れた人にスポットライトがあてられたり
ロールのままのトイレットペーパーが観客席に放り込まれ、前から後ろにひたすら送り続けたりとか
数人の観客が指名され、舞台上に上がって即興劇のようなこともします。
(※私の知り合いがシカゴで観劇した際選ばれました笑)
観客巻き込み型のショウです。
先日Blue Manの話を友達としていたせいか、今日買い物している時に唐突に「絳攸と楸瑛がBlue Manを観る」というのをですね…あのですね………ご察し下さい。
「で、なんでまた彼らにしたの?」
つい今しがた「これを観に行こう」と言って渡されたチケットを一瞥した楸瑛は、その意外なチョイスの理由を絳攸に聞いた。
Blue Man Showは勿論有名だし、世界的に評価されており、オフ・ブロードウェイで大人気のパフォーマンスだ。
でもなんでこれ。というか、何で絳攸がこれを選んだのかが疑問だ。ChicagoだとかPhantom of the Opera だとか、ロングランを続けているブロードウェイ・ミュージカルはほとんど観たことがあるとはいえ、変わり種にびっくりした。
「楸瑛、俺、考えたんだ」
「うん」
真面目な顔を向けてくる絳攸は、声まで真剣で、これはなにかとんでもない理由があるに違いない、と思いながらもにこやかに応じる。ペースに巻き込まれたら負けだ。
「俺たちに足りないものは何なのか、ずっと考えていたんだ」
「足りないもの…ね。うーん、なんだろ、思いつかないな」
「お前はもっと真剣に考えろ」
「そう言われてもねぇ…。私たち相性がいいっていうか、完璧だし」
溜息を吐かれてしまった。降参、と回答を催促すれば、きりりとしたやはり真面目な顔が、きっぱりと言い切った。
「俺たちに足りないもの、それは笑いのセンスだ!」
「ええ、そうなの!?」
「そうだ。人間関係を円滑にするためにも、お客様に満足頂くためにも必要な要素だ。ということで芸術的にも評価が高い、いわばウルトラCのBlue Manを観に行くぞ!」
※ ※ ※
さて、この二人は何設定にしようか決めてません(苦笑)。
しかし絳攸はきっと選ばれて、舞台に呼ばれてしまいそう。
「え、え? どうすればいいんだ!?」
とワタワタしているのが観客に大うけしそう。
やりきった後、Blue Manたちと熱い握手を交わして、拍手喝采の中客席に戻っていく感じです。
…実はもう一つ。
絳攸がBlue Manでもいいかも、と思ったとか思ったとか思…。
そしたら楸瑛が勿論選ばれて(※この場合二人は初対面)、無言のやり取りでなんだか心を通わせてしまい、舞台終了後も交流が続く、って感じです。
楸瑛は壇上に上がっても「参ったな」なんて苦笑して慌てながらも(というか慌てたフリをしながら)、適度に笑いを取って職務と言うか任務と言うか役割を全うしそうで、なんだか書いていてやな奴かも、と思ってしまいました(楸瑛ファンの方済みません)。
信号待ちの間、ふう、と息を吐けば、少しだけ白くなって直ぐに消えた。ニューヨークの冬は寒い。一週間前の積雪は溶けたが、そんなのは挨拶みたいなもので、厳しい冬はまだまだこれからだ。イエロー・キャブが続けざまに通り過ぎて、タクシーに乗ろうか、と思った。それでどこかお勧めのレストランでも紹介してもらってもいい。
「ええと…あー……。くそっ、なんて言えばいいんだ」
なんだか躊躇うようなそしてむしゃくしゃした声がきこえた。若い男の声。誰かがナンパでもしてるのかな、と頭の片隅で考え、片隅ではない部分で明日のプレゼンで発表する数字のことに考えをめぐらせた。
「あの、済みません」
ああ、どこかの金髪美女に無視されてるのか、と再びぼんやりと思う。
「済みません」
しつこい男は嫌われるぞ。それに「済みません」なんて誘い方はスマートじゃない。私なら――…。
「おい、お前」
グイッと腕を掴まれて、「え」と思わず声を出した。長身で整った顔の男が、睨みつけている。おかしなことにその瞳に既視感を覚えたが、いつどこで見たのかまるで思い出せない。酷く最近のことだと思うのだが、解らなかった。
「さっきから声を掛けてるのに、無視するな!」
「え、あれって私に言ってたの?」
「他に誰がいるっていうんだ!」
きょろきょろとあたりを見回せば、この騒動の間に信号が変わっていて、楸瑛とこの男、二人しかいない。
――だって、まさか自分が声を掛けられているとは思わないだろう普通。
そう思わないでもなかったが、ぐっと言葉を飲み込んで、「ええと…どちら様?」とにこやかに問いかけた。
「ああ、ええと…」
今度はいきなり歯切れが悪くなって頭を掻き混ぜだした。
「お前、さっきそこでパフォーマンスを観てただろ?」
「ん? ああ。もしかして君も? 私、舞台にあがっちゃったし、それで声を掛けてくれたとか?」
「まあ、そうなんだが…」
何か事情があるのか。それなら――。
「ねえ君、ここに住んでるの?」
「お前、ここらの家賃相場を知ってるか? ンなわけないだろ」
「そっか。でも詳しい?」
「まあ、仕事で毎日通ってるからそれなりに」
「あ、ならよかった。実は腹ペコなんだ。ここらでいいレストランを紹介してくれない? そこで少し話そう」
一瞬きょとんとした男は、「ついて来い」と言って頼もしく踵を返した。
数ブロック先の小さなトラットリアは、繁盛していた。太ったおじさんが厨房から、男――道すがら名前を聞いたのだが――絳攸に笑いかけ、絳攸も手を軽く振って返す。案内された席で向かい合って、注文を終えたと思ったら、数分でディッシュが運ばれてきた。
常連の絳攸のおすすめ、ピッツァ・マルゲリータは驚くほど美味しくて、それを表情や身振り手振りも含めて伝えれば、絳攸は喜んだ。そうして打ち解けてから、本題を切り出した。
「で、私に何か用があるのかい?」
「いや…ちょっと話してみたいと思って」
――男にナンパされてしまった。いや、まあいいけど。というか、絳攸との会話は酷く楽しいから、むしろ声を掛けてくれて感謝したいくらいだ。
「ええと、君もあれを観てたんだよね? 私、そんなに面白かった?」
笑って軽口をたたけば、トマトソースのパスタを口に運んでいたフォークを置き、「いや」とシリアスなトーンで返された。
「実は俺は、俺は出演者なんだ」
「……え? 出演者ってことは…君、君がブルーマン!?」
こくんと頷く。
鮮やかなブルーにペイントされたメイクの下は、こんな顔だったのか。なんとなく整った顔なのかも、と思ったがとんでもなかった。
睨まれた時、既視感を覚えたはずだ。ついさっき顔を合わせていたのだから。
なんとなく、絳攸があの三人組のうちの誰だか楸瑛には解った。
観客巻き込み型のサイレント・パフォーマンスもあり、選ばれた観客は舞台に上がる。空気を読んで、パフォーマンスに参加して、その慌てふためいた様などを楽しむのだ。選ばれたときは勿論驚いたが、舞台に上がって見れば、とても楽しかった。読めない展開に久々にぎょっとしたり、逆に観客を笑わせるように自分から仕向けたりもして、なんとなく感じた一体感がとても心地よかった。
役目を終え舞台から客席に戻るときに、一人表情は崩さずに眼だけで笑ってくれたブルーマンがいた。それが多分絳攸だ。
なんだか妙に納得がいった。
なんだか酒がとてもうまい。
「でも、いいの? 観客をナンパなんかして。というかいつもそんなことしてるの?」
「ナンパってなんだ。…いや、本当はルール違反なんだが、お前があそこでぼーっと立っているのを見つけたら、うずうずして。不審者だと思われてたら心外だし、結構緊張したんだぞ」
そんなことを言うから、楸瑛は先ほどの光景を思い出して笑ってしまった。絳攸が怒ると解っていても、酷く気分がいい。
「おま…! 俺がどんな心境だったか…ッ!」
「ごめんごめん。嬉しくてつい。ご飯は美味しいし、君との話はとても楽しいし、最高の一日だな、と思って。なんだか運命の相手に出会えた気分だ」
そう言えば絳攸はまだ言い足りなさそうな顔をしながら口をつぐんだ。
「これからも、よろしくしてくれるかな、絳攸?」
返事の代わりに、楸瑛のグラスが小さくなった。カラフルな色をしたカクテルを飲む絳攸に、楸瑛は噴出した。
※ ※ ※
というか、三人組なら王都組でもいいっていうのにはさっき気付きました(笑)。
それより白人で碧眼の人って、写真撮影の時フラッシュをたくと、6、7割赤目になります(体感)。
絳攸も似たような顔立ちですし、写真の赤目率がかなり高そうだな…とどうでもいい設定が今できました。
他にも読了した本の話題だとか、それ関係で音楽ネタがあるのですが、また後日。
先々月、法事関係で母の実家へ帰る日に手にしたのですが、ドタバタしていたため、たしかそのまま(封筒に入ったまま)手荷物のバッグに入れて飛行機に乗って…としたはずです。
で、それからどうした…?
会社関係のモロモロを入れているファイルも片付けていたら、「そういえば源泉徴収票…」と思い出してからの、顔面蒼白です。たしか、こっちに戻ってきてすこしたってから、会社の封筒を一つ「あ、これ中身確認した奴だから」と思って中身を再確認せず捨てた覚えがあって…。それだったらどうしよう、というのが現段階、今ここ、ってやつです。もう少し探して見つからなかったら再発行してもらうか、給料明細を計算するしかないですね…。再発行は社会人としての自覚に欠けますし、ほかにも色々あって頼みにくなあ…。
さて、そんな社会人的な話はおいておいて。読んだ本のことも語りたいのですが、ネタを一先ず。
Blue Man(Blue Man Group)ってみなさんご存じ、ですよね?
アメリカに拠点を置く、顔に青いペイントを施した3人組が、サイレント喜劇を行うヤツです。
あ、この日記のタイトルは中国語っぽくしてみましたが、デタラメです。
↑こういう人たちが3人並んで行われるショウです。
(※この写真の両側には私と母がいるので、思いっきりカットしたのですが最低限の画質のためやむを得ず少し残ってしまいました)
(※私はNYで観劇。劇終了後、エントランス付近に出演者が出てきてくれるので、その際に写真を頼めます)
「メロディを付けずに"Happy Birthday To You"を歌え」(電光掲示板に指示が流れます)
だとか
「Late ナントカ」と言って、遅れて入ってきた観客がいたら、ブザーが鳴りそれまでの劇が一旦終止され、その遅れた人にスポットライトがあてられたり
ロールのままのトイレットペーパーが観客席に放り込まれ、前から後ろにひたすら送り続けたりとか
数人の観客が指名され、舞台上に上がって即興劇のようなこともします。
(※私の知り合いがシカゴで観劇した際選ばれました笑)
観客巻き込み型のショウです。
先日Blue Manの話を友達としていたせいか、今日買い物している時に唐突に「絳攸と楸瑛がBlue Manを観る」というのをですね…あのですね………ご察し下さい。
「で、なんでまた彼らにしたの?」
つい今しがた「これを観に行こう」と言って渡されたチケットを一瞥した楸瑛は、その意外なチョイスの理由を絳攸に聞いた。
Blue Man Showは勿論有名だし、世界的に評価されており、オフ・ブロードウェイで大人気のパフォーマンスだ。
でもなんでこれ。というか、何で絳攸がこれを選んだのかが疑問だ。ChicagoだとかPhantom of the Opera だとか、ロングランを続けているブロードウェイ・ミュージカルはほとんど観たことがあるとはいえ、変わり種にびっくりした。
「楸瑛、俺、考えたんだ」
「うん」
真面目な顔を向けてくる絳攸は、声まで真剣で、これはなにかとんでもない理由があるに違いない、と思いながらもにこやかに応じる。ペースに巻き込まれたら負けだ。
「俺たちに足りないものは何なのか、ずっと考えていたんだ」
「足りないもの…ね。うーん、なんだろ、思いつかないな」
「お前はもっと真剣に考えろ」
「そう言われてもねぇ…。私たち相性がいいっていうか、完璧だし」
溜息を吐かれてしまった。降参、と回答を催促すれば、きりりとしたやはり真面目な顔が、きっぱりと言い切った。
「俺たちに足りないもの、それは笑いのセンスだ!」
「ええ、そうなの!?」
「そうだ。人間関係を円滑にするためにも、お客様に満足頂くためにも必要な要素だ。ということで芸術的にも評価が高い、いわばウルトラCのBlue Manを観に行くぞ!」
※ ※ ※
さて、この二人は何設定にしようか決めてません(苦笑)。
しかし絳攸はきっと選ばれて、舞台に呼ばれてしまいそう。
「え、え? どうすればいいんだ!?」
とワタワタしているのが観客に大うけしそう。
やりきった後、Blue Manたちと熱い握手を交わして、拍手喝采の中客席に戻っていく感じです。
…実はもう一つ。
絳攸がBlue Manでもいいかも、と思ったとか思ったとか思…。
そしたら楸瑛が勿論選ばれて(※この場合二人は初対面)、無言のやり取りでなんだか心を通わせてしまい、舞台終了後も交流が続く、って感じです。
楸瑛は壇上に上がっても「参ったな」なんて苦笑して慌てながらも(というか慌てたフリをしながら)、適度に笑いを取って職務と言うか任務と言うか役割を全うしそうで、なんだか書いていてやな奴かも、と思ってしまいました(楸瑛ファンの方済みません)。
信号待ちの間、ふう、と息を吐けば、少しだけ白くなって直ぐに消えた。ニューヨークの冬は寒い。一週間前の積雪は溶けたが、そんなのは挨拶みたいなもので、厳しい冬はまだまだこれからだ。イエロー・キャブが続けざまに通り過ぎて、タクシーに乗ろうか、と思った。それでどこかお勧めのレストランでも紹介してもらってもいい。
「ええと…あー……。くそっ、なんて言えばいいんだ」
なんだか躊躇うようなそしてむしゃくしゃした声がきこえた。若い男の声。誰かがナンパでもしてるのかな、と頭の片隅で考え、片隅ではない部分で明日のプレゼンで発表する数字のことに考えをめぐらせた。
「あの、済みません」
ああ、どこかの金髪美女に無視されてるのか、と再びぼんやりと思う。
「済みません」
しつこい男は嫌われるぞ。それに「済みません」なんて誘い方はスマートじゃない。私なら――…。
「おい、お前」
グイッと腕を掴まれて、「え」と思わず声を出した。長身で整った顔の男が、睨みつけている。おかしなことにその瞳に既視感を覚えたが、いつどこで見たのかまるで思い出せない。酷く最近のことだと思うのだが、解らなかった。
「さっきから声を掛けてるのに、無視するな!」
「え、あれって私に言ってたの?」
「他に誰がいるっていうんだ!」
きょろきょろとあたりを見回せば、この騒動の間に信号が変わっていて、楸瑛とこの男、二人しかいない。
――だって、まさか自分が声を掛けられているとは思わないだろう普通。
そう思わないでもなかったが、ぐっと言葉を飲み込んで、「ええと…どちら様?」とにこやかに問いかけた。
「ああ、ええと…」
今度はいきなり歯切れが悪くなって頭を掻き混ぜだした。
「お前、さっきそこでパフォーマンスを観てただろ?」
「ん? ああ。もしかして君も? 私、舞台にあがっちゃったし、それで声を掛けてくれたとか?」
「まあ、そうなんだが…」
何か事情があるのか。それなら――。
「ねえ君、ここに住んでるの?」
「お前、ここらの家賃相場を知ってるか? ンなわけないだろ」
「そっか。でも詳しい?」
「まあ、仕事で毎日通ってるからそれなりに」
「あ、ならよかった。実は腹ペコなんだ。ここらでいいレストランを紹介してくれない? そこで少し話そう」
一瞬きょとんとした男は、「ついて来い」と言って頼もしく踵を返した。
数ブロック先の小さなトラットリアは、繁盛していた。太ったおじさんが厨房から、男――道すがら名前を聞いたのだが――絳攸に笑いかけ、絳攸も手を軽く振って返す。案内された席で向かい合って、注文を終えたと思ったら、数分でディッシュが運ばれてきた。
常連の絳攸のおすすめ、ピッツァ・マルゲリータは驚くほど美味しくて、それを表情や身振り手振りも含めて伝えれば、絳攸は喜んだ。そうして打ち解けてから、本題を切り出した。
「で、私に何か用があるのかい?」
「いや…ちょっと話してみたいと思って」
――男にナンパされてしまった。いや、まあいいけど。というか、絳攸との会話は酷く楽しいから、むしろ声を掛けてくれて感謝したいくらいだ。
「ええと、君もあれを観てたんだよね? 私、そんなに面白かった?」
笑って軽口をたたけば、トマトソースのパスタを口に運んでいたフォークを置き、「いや」とシリアスなトーンで返された。
「実は俺は、俺は出演者なんだ」
「……え? 出演者ってことは…君、君がブルーマン!?」
こくんと頷く。
鮮やかなブルーにペイントされたメイクの下は、こんな顔だったのか。なんとなく整った顔なのかも、と思ったがとんでもなかった。
睨まれた時、既視感を覚えたはずだ。ついさっき顔を合わせていたのだから。
なんとなく、絳攸があの三人組のうちの誰だか楸瑛には解った。
観客巻き込み型のサイレント・パフォーマンスもあり、選ばれた観客は舞台に上がる。空気を読んで、パフォーマンスに参加して、その慌てふためいた様などを楽しむのだ。選ばれたときは勿論驚いたが、舞台に上がって見れば、とても楽しかった。読めない展開に久々にぎょっとしたり、逆に観客を笑わせるように自分から仕向けたりもして、なんとなく感じた一体感がとても心地よかった。
役目を終え舞台から客席に戻るときに、一人表情は崩さずに眼だけで笑ってくれたブルーマンがいた。それが多分絳攸だ。
なんだか妙に納得がいった。
なんだか酒がとてもうまい。
「でも、いいの? 観客をナンパなんかして。というかいつもそんなことしてるの?」
「ナンパってなんだ。…いや、本当はルール違反なんだが、お前があそこでぼーっと立っているのを見つけたら、うずうずして。不審者だと思われてたら心外だし、結構緊張したんだぞ」
そんなことを言うから、楸瑛は先ほどの光景を思い出して笑ってしまった。絳攸が怒ると解っていても、酷く気分がいい。
「おま…! 俺がどんな心境だったか…ッ!」
「ごめんごめん。嬉しくてつい。ご飯は美味しいし、君との話はとても楽しいし、最高の一日だな、と思って。なんだか運命の相手に出会えた気分だ」
そう言えば絳攸はまだ言い足りなさそうな顔をしながら口をつぐんだ。
「これからも、よろしくしてくれるかな、絳攸?」
返事の代わりに、楸瑛のグラスが小さくなった。カラフルな色をしたカクテルを飲む絳攸に、楸瑛は噴出した。
※ ※ ※
というか、三人組なら王都組でもいいっていうのにはさっき気付きました(笑)。
それより白人で碧眼の人って、写真撮影の時フラッシュをたくと、6、7割赤目になります(体感)。
絳攸も似たような顔立ちですし、写真の赤目率がかなり高そうだな…とどうでもいい設定が今できました。
他にも読了した本の話題だとか、それ関係で音楽ネタがあるのですが、また後日。
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