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※個人の趣味によるブログです。基本的に本を読んでます。
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No.482
2013/06/15 (Sat) 01:52:06

「何だ、また来たのか」
絳攸は筆を置く。
唇に触れてきたそれに口をふさがれながら瞳を閉じて笑いかけた。舌を軽く絡めあい離れて、再び絡まる。今度は激しく。
それが何だか絳攸には解らないが、この行為の意味は知っている。
遊戯。
肩が震えて机に僅かに身体があたる。筆が転がった音が合図になり、すぅと離れて眼を開けた時にはそれは消ええていた。
扉の前には楸瑛が立っている。
複雑な表情をした楸瑛が気まずそうに筆を机に置いてくれた。
絳攸には濡れた瞳を向けている自覚がある。いや、自覚しながらあえて向けている。
紅く染まった唇に楸瑛の指が触れた。
「また?」
「ああ」
「もうやめたら?」
それには無言。勝手にやって来る人ならざる何か――朝廷に住む妖怪かなにかとの戯れは嫌いじゃない。適度な快楽は好ましい。気分転換になる。少し体力を奪われるが、それすら心地よい疲労感につながる。
「君はどうせ気分転換にちょうどいいとか思ってるんだろうけど」
読まれている。
屈みこんだ楸瑛が吐息のかかる距離で懇願の響きで囁いた。唇を撫でられる。
「いつか本当に喰われてしまう」
眉を八の字にした楸瑛の顔があまりにも情けなくて、絳攸はクスクスと笑った。益々寄せられる眉が可笑しい。
楸瑛の首に腕を巻き付けた。
「その前にお前が俺を喰えばいい」

*****
皆川さんの本を読んでたからこういうネタにたどり着きました。
妬くに妬けきれない複雑な楸瑛。
皆川さんの本は同性のキスシーンがやたら多い(苦笑)。性的というかまあそれも多少はあるかもしれませんが、恋愛感情というよりは幼いころの好奇心や敬愛、戯れとしてのふれあいです。

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