※個人の趣味によるブログです。基本的に本を読んでます。
No.962
2017/07/30 (Sun) 21:07:43
今一番注目しているシリーズ、阿部智里さんの「八咫烏シリーズ」の、第一部完結編「弥栄(いやさか)の烏」がソフトカバーで発売されました。
本日、ブックカフェで読もう、といそいそ外出した結果、大混雑につき、立ち読みで済ませました(苦笑)。
※文庫で集めてるので…。
前作「玉依姫」は物語としては異色で、神話や伝説に絡めて、現代も交え、山神サイドというか玉依姫サイドのお話でした※立ち読み読了。
その裏側ではどうなっていたかーー。八咫烏と猿との戦いについて書かれています。
あれが誰だったのか、どうなったのか、なんてことがわかります。
先日参加した、作家登場の読書会で阿部さんは「(今作は)性差というものを意識して書きました」と言っていたので、そこらへんもひしひし感じられましたね…。
ヒロインは真赭(ますほ)の薄。大貴族西家出身の直系のお姫様で、現在は出家して浜木綿(はまゆう)付の女房。
気が強く気高く、そして美しく色っぽいお姫様。
今回雪哉の年齢が二十歳と明らかにされ、彼女はそれよりも少し年上、とのこと。初登場ではそうすると、17歳前後だったのでしょうね。
さて、あらずじ:
禁門が開かれた後、大地震が山内を襲った。真の金烏・奈月彦の前に山神の命を受け、使いして現れた天敵・猿。逆らえない存在である化け物・山神に使えることを承諾せざるを得なかった。
猿の入知恵により、山神の逆鱗に触れた八咫烏の仲間が無残に殺害され、窮地に立たされた奈月彦たちは、山神を倒すことを決意し、打開策を探るために山神と金烏、そして猿の歴史を探るが、そこで明らかになったのは思いもよらぬ事実だった。そして雪哉が直面する辛い現実と、参謀としての責任。仲間が殺されていく中、無力感にさいなまれるは真赭(ますほ)の薄に、臥せっていた浜木綿(はまゆう)が頼んだこととはーー。山内の崩壊を避けるため、山内を守るために、猿との最終決戦が始まる。
いやー、もう読みながら、涙が出てきました。
真赭(ますほ)の薄の葛藤
雪哉の覚悟
澄尾の心中
痛々しいんです。それほどまでに猿との戦いは過酷で、熾烈です。
まして化け物と化した、山神へあることないことを吹き込んでいて、とても不利な状況で、仲間の烏が死んでゆくーー。
あえて冷たい言葉を選ぶ、雪哉や澄尾の心中はおもんぱかってはかり知るべき。
今回、わたし路近(ろこん)好きだわ、と思いました(笑)。何物にも縛られない彼は魅力的です。※変わり種のキャラクターは基本的に好きですが、路近に対して当てはまるのに初めて気づきました。
あと浜木綿(はまゆう)の強さに感嘆しました。何があっても変わらないーー受け止めて、且つ大切な人の支えになれる人は強い。
雪哉は化け物に徹していたーーというよりほかなく、それまでブレーキの役割をしていたものがああいうことになり、そこからさらに冷徹になっていくのを目の当たりにして、彼の心は大丈夫か、と痛々しくて、でもみんな雪哉に頼るしかなく、そんな雪哉自身と彼を心配する(でも雪哉はさせようとしない)が、言葉にならなかったです。
役割を全うする雪哉は「ぼんくら次男」の面影がなくて、悲しくて辛いはずなのに弱音一つ漏らさず、ぶれない姿は恐ろしかった。
本当に立ち直ってるの? と誰も声をかけられない。
わたしたちが好きな雪哉はこんな雪哉じゃない。
わたしたちが見たいのはこんな雪哉じゃない。
ーーーそんな勝手なことを感じました。
雪哉の心中など知らずに。ーーいや、辛いのはわかってるけど、それでも冷徹にいようとする姿に。
彼の心を解くのはーー。
これでサヨナラは、悲しいな。まだ雪哉たちの物語に浸っていたいです。
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本日、ブックカフェで読もう、といそいそ外出した結果、大混雑につき、立ち読みで済ませました(苦笑)。
※文庫で集めてるので…。
前作「玉依姫」は物語としては異色で、神話や伝説に絡めて、現代も交え、山神サイドというか玉依姫サイドのお話でした※立ち読み読了。
その裏側ではどうなっていたかーー。八咫烏と猿との戦いについて書かれています。
あれが誰だったのか、どうなったのか、なんてことがわかります。
先日参加した、作家登場の読書会で阿部さんは「(今作は)性差というものを意識して書きました」と言っていたので、そこらへんもひしひし感じられましたね…。
ヒロインは真赭(ますほ)の薄。大貴族西家出身の直系のお姫様で、現在は出家して浜木綿(はまゆう)付の女房。
気が強く気高く、そして美しく色っぽいお姫様。
今回雪哉の年齢が二十歳と明らかにされ、彼女はそれよりも少し年上、とのこと。初登場ではそうすると、17歳前後だったのでしょうね。
さて、あらずじ:
禁門が開かれた後、大地震が山内を襲った。真の金烏・奈月彦の前に山神の命を受け、使いして現れた天敵・猿。逆らえない存在である化け物・山神に使えることを承諾せざるを得なかった。
猿の入知恵により、山神の逆鱗に触れた八咫烏の仲間が無残に殺害され、窮地に立たされた奈月彦たちは、山神を倒すことを決意し、打開策を探るために山神と金烏、そして猿の歴史を探るが、そこで明らかになったのは思いもよらぬ事実だった。そして雪哉が直面する辛い現実と、参謀としての責任。仲間が殺されていく中、無力感にさいなまれるは真赭(ますほ)の薄に、臥せっていた浜木綿(はまゆう)が頼んだこととはーー。山内の崩壊を避けるため、山内を守るために、猿との最終決戦が始まる。
いやー、もう読みながら、涙が出てきました。
真赭(ますほ)の薄の葛藤
雪哉の覚悟
澄尾の心中
痛々しいんです。それほどまでに猿との戦いは過酷で、熾烈です。
まして化け物と化した、山神へあることないことを吹き込んでいて、とても不利な状況で、仲間の烏が死んでゆくーー。
あえて冷たい言葉を選ぶ、雪哉や澄尾の心中はおもんぱかってはかり知るべき。
今回、わたし路近(ろこん)好きだわ、と思いました(笑)。何物にも縛られない彼は魅力的です。※変わり種のキャラクターは基本的に好きですが、路近に対して当てはまるのに初めて気づきました。
あと浜木綿(はまゆう)の強さに感嘆しました。何があっても変わらないーー受け止めて、且つ大切な人の支えになれる人は強い。
雪哉は化け物に徹していたーーというよりほかなく、それまでブレーキの役割をしていたものがああいうことになり、そこからさらに冷徹になっていくのを目の当たりにして、彼の心は大丈夫か、と痛々しくて、でもみんな雪哉に頼るしかなく、そんな雪哉自身と彼を心配する(でも雪哉はさせようとしない)が、言葉にならなかったです。
役割を全うする雪哉は「ぼんくら次男」の面影がなくて、悲しくて辛いはずなのに弱音一つ漏らさず、ぶれない姿は恐ろしかった。
本当に立ち直ってるの? と誰も声をかけられない。
わたしたちが好きな雪哉はこんな雪哉じゃない。
わたしたちが見たいのはこんな雪哉じゃない。
ーーーそんな勝手なことを感じました。
雪哉の心中など知らずに。ーーいや、辛いのはわかってるけど、それでも冷徹にいようとする姿に。
彼の心を解くのはーー。
これでサヨナラは、悲しいな。まだ雪哉たちの物語に浸っていたいです。
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