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No.584
2013/10/06 (Sun) 03:25:41

お返事は一つ下にあります!
ありがとうございます。

※ ※ ※

――本学は学生の自主性を重んじ…(以下略)。
自主性の時代だとか、個性を大切にだとか、自分らしさを失わせないように、だとか。すっかりそんな社会風潮になってきたが、実際はどうかと言われれば、無秩序な集まりは攪拌機に掛けられ大掛かりなラベルの下は型で押したようにほぼ均一な人型が生産される。その人型が熟成しながら、社会で許容される範囲の個性が育成され、はたまた個性の芽がほとんど育たず学校から追い出されてから苦労する――とまあそんなことがまず思い浮かんだ。現実逃避だ。
逃げたい現実は真っ白なシャツに――俺でも知っている高級ブランド物のシャツを斑に染め、コーヒー臭を全身から発している男、藍楸瑛だ。髪の毛からもぽつぽつと茶色い液体を滴らせている様は、いつものこの男なら「水ならぬカフェラテも下たるいい男」と軽口をたたく確率が経験則から六割前後と割り出されるが、今玄関ではそんな戯言を零す雰囲気は皆無で、苦笑を見せたり少し不機嫌な顔になってみたり、きまり悪そうにそわそわしてみたり、複雑そうに眉を寄せたりしている。
非現実的なんて言葉を使う程ではないけれど、現実に起こっていても現実的ではない状況だ。型押し機によって形成される社会の構成員として不適合。SF的に言えば、良化委員だとかなんとかが出てきて、デヴィエントとして弾かれる側だな、と思ったのは数日前に珍しく「銀河系の兎一族」というSFを読んだからだ。兎の進化の過程がグロテスクで興味深い。とにかく個性を尊重するという大義名分を真に受けてしまったら、目の前にいる大人みたいなコーヒー星人が出来上がるのか。いや、もしかすると清涼飲料水会社の新手のCMなのか?
「………家が汚れる」
さんざん口を出しあぐねたあげく、俺がぽつりと呟けば「悪い。でもここの方が近いから」だと。楸瑛のマンションはここから電車で数駅ある、高級住宅街だ。コーヒーで全身斑に染め上げられ途中のコーヒー星人はさぞかし悪目立ちをすることだろう。
「ここから一キロ程歩けば川がある」
「………」
楸瑛絶句。いい気味だ。
「コーヒー漬けよりましだろう」
初秋だし、ちゃんとすれば川にドボンでも風邪はひかない、つまり俺は罪悪感に苛まれることは無い。うん、完璧だ。

※ ※ ※
書き途中です。

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