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※個人の趣味によるブログです。基本的に本を読んでます。
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No.640
2013/12/31 (Tue) 21:32:12

+++追記+++
直接返信いたしました。メッセージありがとうございます!
++++++++

悲嘆に暮れていた「影武者・徳川家康」はどうにかリアルタイムで観れそうです! スマートフォンのアプリ入れたりでも無線LANがどうとかこうとかで試行錯誤なんてしましたが、何の心配もなく色々作業しながらかとは思いますがテレビで観れます。
そうそう。昨日お料理していたらお玉がおれました! もとからガタがきていたのですが、くっと力を入れたら手に伝わる衝撃。そろっと上げてみたら柄だけで円形の部分が鍋の中。まさか、でした。菜箸で円形の部分を吊り上げる間抜けさ。しかもなかなか掬い辛い。驚きすぎて笑いましたね。100円均一で新しいの調達してきました。

さてさて、今年も今日でさようなら。明日からは初めまして2014年になります。
その前に。2013年も大変お世話になりました! 来年もよろしくお願いします。

本題読書ランキング。
今年は本日ようやく「天地明察」の下巻を読了して、合計213冊。去年より数冊少ないです。
新年1冊目は…青春系、初の粘膜系(笑)のどちらかですね多分。粘膜系は非エロ本です念のため。結構有名なミステリです。
まあおそらく今日の夜から何か読み始めると思います。

さて、以下はランキング。
発売念などに関係なく、今年私が読んだ本からのピックアップです。
結構迷いましたし、しっくりいってない部分もあります。ランキング付ける意義などそもそもないのでね…。まあ、一人でも本が好きになってくれたらなあ、という思いです。
ネタバレすると、2013年前半のランキングと変わらない部分もあります。まあ、面白かったので。
さあて! レッツゴー! (※折りたたんであります)

総合ランキング
1位「捨て童子・松平忠輝」(上中下)/隆慶一郎
家康の嫡子だがその容貌から「鬼子」として疎まれた松平忠輝。出自にあるまじき捨て子同然に育った忠輝の身体能力はすさまじく、また頭脳明晰で、いつしか周囲がめをかけるまでになっていた。巻き込まれる政治抗争に忠輝はしかし幼いころの約束を胸に、行動を起こすのだった
とにかくとにかく、とにかく! 面白くて何度叫びだしそうになったことやら。松平忠輝なんて知らなかったのに、今では憎めない親戚の悪がきのような、大学の先輩で頭脳明晰な異端児のような気がします。どこか人を惹きつける人物だった、のような文章があったとして、読んでいてそれが伝わり、その魅力にやられ、忠輝に味方していく。欲望渦巻く構想の中、大胆且正当且巧みな策略がさえるのが痛快で、思い出すだけで心が躍る一冊でした。

2位「一瞬の風になれ」(全三巻)/佐藤多佳子
一向に上手くならないサッカーに見切りをつけ、高校ではやる気のない天才スプリンター連にそそのかされ陸上部に入った新二。技術面だけではなくモチベーションのコントロールのむずかしさを噛みしめ、すーっと追い越していく連の背中を眺めながら、連のように走りたい、連に追いつきたいと思うようになっていた。もっと速く走りたい! その強い思いが徐々に結実していく。
永遠の青春小説。超絶感動の一冊。三巻の大会のシーンでは、もうひたすら新二やクラブメイトに同調して、緊張しっぱなし、ドキドキしっぱなしで苦しくて苦しくて…! 臨場感がすごいです。陸上部でもないし、陸上競技で特に走る系のものはあまり好きじゃなかったのですが、100m、200mやリレーがこんなに素晴らしいものだということを知りました。1レースの、100mなら10秒程に全身全霊をかけることのむずかしさと、そんな短い時間に詰まった素晴らしさ。とにかく、切ないまでに凄い感動を与えてくれる青春小説でした。

3位「沈まぬ太陽」(全五巻)/山崎豊子
半民半官、国旗を背負った国民航空に就職した恩地は、推薦により労働組合の委員長に就いた。有力者の縁故採用社員と自分たちに待遇の差があることを痛感していた恩地は、副委員長の行天とともに労働条件の改善を嘆願し、実現させるのだが、待っていたのは左遷という名の僻地転勤だった。一方で栄転していく行天との格差を目の当たりにし、両者の明暗が深まった。そんな折、国民航空の飛行機が墜落した。トップがとった対応に世間の目は冷たく、人事に変動が。会長室勤務となった恩地は、調べれば調べるほど明らかになる杜撰な体制に、戦慄を覚えるのだった。崩壊の音が迫る。
凄い社会派小説。強いです。論理展開がしっかりしていて、ここまでかというほどの恩地虐めも読んでいて壮絶で、汚職塗れの内部事情に怒りがこみ上げたりと、かなりの衝撃を受けました。私なんかは少し贅沢が出来るくらいの暮らしが出来れば万々歳で、権力者の賄賂問題等には受け取ってしまうのは解るけれど「どうしてそんなに」と思ってしまう。ばっかじゃないの、との冷ややかな言葉は、こんな事故を起こしてしまった場では怒りに代わる。汚職ってさ、一つ通ればもっと大きなことも通るようになって、という可能性があって、それが慣例になって…。醜い面を突き付けられ、激しい憤りを覚えました。また、飛行機の運航に関しては絶対の安全はない、というようなセリフが印象的でした。今年詠んだ中で「不毛地帯」と並び一番激しい小説でした。

4位「チーム・バチスタの栄光」/海堂尊
えっと、これあらすじ必要ですか? 有名なんだもん。
バチスタ手術で驚異の成功率を誇る桐生を、東城大学医学部附属病院のPRを兼ねて呼び寄せた。それまで驚くべきことに成功の連続だった「チーム・バチスタ」だが、ここ数件、失敗が続いた。もとから難しい手術だが、桐生を含め違和感を感じているようだ。その調査を高階病院長に命じられたのが、不定愁訴外来こと患者の不平不満を延々と聞く「愚痴外来」の万年講師・田口だった。全員への面談、そして実際に手術に立ち会い患者死亡の現場に立ち会う田口だが、何かがおかしいがその正体が解らない。壁にぶつかる田口の前に現れたのは、厚生労働省の役人・白鳥だった。破天荒な白鳥に振り回され、再び調査に乗り出す。
個人的にはどうやって相手を落とすかに重点を置いた「アリアドネ(略)」の方が好きですが、やはりこのバチスタ・インパクトがすごかったので! 警察小説が好きで、その理由が推理以外に一般人が知りえない警察の内情(指揮系統や当直の制度、捜査の仕方等々)が興味深いから、というもので、病院の世界も同じでした。一般人が知りえない病院(殊に政治争いがある大学病院)の内情やそこに厚生労働省の本音等々が描かれているのが興味深かったです。まあそれよりもこのシリーズは何と言っても人物の妙。軽快で自虐的、しかし鋭い語りがとても面白かった!

5位「下町ロケット」/池井戸潤
ロケットの開発者の一人だった佃は挫折を経て、中小企業の佃製作所を継いだ。研究開発が強みだが、ある日ライバルの大企業から特許侵害で訴えられた。全く覚えがなく、また俎上の案件はむしろ佃製作所が開発したものなのだが――。押される佃だが、負けん気に火がついた。さらにロケット開発を担う一流企業から、佃製作所の持つ特許に対してあるアプローチが、佃製作所の内部を分裂させる。中小企業VS大企業。企業の規模なんて関係ない。佃の誇りをかけた戦いが始まる。
半沢ブームに沸いた人たちよ。この本も読もうよ! 面白いよ! と声を大にして訴えたいです。下町の零細企業がとんでもない技術を持っているのは周知の事実。しかし下請けだから経営は苦しいんだろうなあというのと、この会社が潰れちゃったら技術はどうなるの、とかまあいろいろ考えるところはある。下請け。勿論発注するのは大企業だったりするわけだ。小説だから解りやすく足元をみようとする「いかにも」な登場人物たちが多い。一方我々社会人は大企業に勤める人などほんの一握りで、その中の人たちだっていろいろ頭を下げることが多いから、佃たちの「弱者」の立場は共感できます。また不況から「金にならない」研究開発費を削れ、という社員たち。解るんだよなあ。だってそれでボーナスが捻出できるならそうしてほしいと思ってしまうもの。しかしそれが長期的にみて正解かどうか――。そんな所も考えさせられるけれど、とにかく痛快なエンターテイメントに私は職場の最寄駅についてもそのまま乗り過ごして読んでいたかったもの。サラリーマンへの賛歌の一冊!

6位「水魑(みづち)の如き沈むもの」/三津田信三
水魑様を祀る四つ村の話を聞きつけた言耶は案の定人がかわったような食いつきようで、不遜な変人・阿武隈川烏先輩と言耶の編集者・祖父江偲と探訪する。五月夜村(さよむら)の水使、物種村の水内、青田村の水分(みくまり)、佐保村の水庭(すいば)の四つの神社が順番で神事を執り行う雨乞いの儀式を見学中に事件が起きた。忌まわしき連続死の謎に言耶が挑む。
ミステリとしてはシリーズ最新刊「幽女の如き怨むもの」のほうが高いのですが、民話が絡まる「水魑(略)」の方が個人的には好みです。完成度でいえば、このシリーズは超絶完成度が高くて、断トツです。態とわかりにくくしていると思われる方もらっしゃるとは推察しますが、民話が混じるある地方の神事です。思いっきりややこしくしてくれたほうが不気味さが増して雰囲気がでていいです!! 今でも宗教関連はこじつけの嵐ですが、昔はそれがもっとあったなんていうのも、面白いです。ミステリ好きにはありがたい、ありがたあああいシリーズです。

7位「開かせていただき光栄です」/皆川博子
18世紀のロンドン。手柄を社会的な地位が高い内科医の兄に横取りされ、その代り研究資金を得ている地位の低い外科医のダニエル・バートンは、解剖マニアで医学的知識の遅れているイギリスで正確な情報をもっている数少ない医者だ。そんな先生のため解剖教室の弟子たちは解剖のための死体――それも珍しい妊婦の死体を調達したのだが、運悪く捜査の手が伸びた。正式な手順を踏まえない解剖は違法。あわてて死体を暖炉に隠すのだが、気づいてみれば死体が二体に。さらにもう一体増えて三体に。この死体はどこの誰のものなのか。盲目の判事・ジョンと姪で助手のアンの捜査に、解剖の隠れた権威・ダニエルたちは協力することに。さらに田舎から詩人を目指してやってきたネイサンは驚くべき事件に巻き込まれ――。
とにかく描写がいいのがこのシリーズ。18世紀のイギリス社会の息吹を感じられます。当時の医療界と法曹と警察体勢に、ここまで不備があったのね。知識がおありの方で、なおかつ勉強されているとなると最強です。あの独特の諧謔味が解剖教室の弟子たちにぴったりとあうし、暖炉に隠れたり窓を伝ったりと綱渡りの冒険も面白い。場面がパッと変わるのが流れるような展開で飽きさせないし、なんだかいい意味で裏切られたなあと晴れ晴れした気持ちになります。色々とギュッと凝縮されています。思い出すたび「愛してる!」と叫びたくなります。しかし続編がまた意外で…! とても愛しい作品です。

8位「絆回廊」/大沢在昌
警察を殺すために拳銃が欲しい――。刑務所でそんなことを口にした男がいて、今頃出所している。そんな噂を聞きつけた新宿鮫こと鮫島が調査を開始するが、聞き込みを行ったヤクザの元親分が惨殺される。彼が抱く殺意の理由は――? また中国で父親がおらず貧しい家庭で育った男が、みじめな思いをしないよう金を求め裏社会に染まっていく。危険を感じながらも鮫島に引き返す選択肢はない。
このシリーズのいいところは警察小説だけど「成長物語」がない所と(シリーズが進むにつれ作者の成長とともに自然と老練さを手に入れています)、とても論理的なところ。パズルがいくつかあって、それぞれがピースを集めて行って最後に一つの絵が出来るんだけど、そのピースのみ立て方が「ああこの人頭いいなあ」と感じさせる。繋がりが徐々に見えてきても、「なあんだ」じゃなくて期待と言うかドキドキにつながります。そして巧いんだよなあ。文章がもう巧いの。そして一匹狼で警察組織の秘密を握っている故疎まれている鮫島の理解者たちの存在感が本当にカッコいい。馴れ合いや同情じゃなくて、仕事をする人間同士の絆がかっこいいです。深い意味で、内面というかビジネスパーソンとして、プロフェッショナルとしてかっこいい! この巻については、とにかく涙なくして語れない。その涙はシリーズを追ってきたから、とうとうこの時が来てしまったという涙です。鮫島、辛いね。胸に響いてとにかく辛くて涙がでました。

9位「小暮写真館」/宮部みゆき
花菱英一の両親は少し変わっている。念願のマイホームを手に入れたのだが、それがなんと建物に資産価値がないくらいの古い古い元写真館の物件で、変な両親はその「小暮写真館」の看板をそのまま残したまま住み始めた。おまけに幽霊がでるという。弟の光は幽霊に会いたいとまで言う始末だ。ある日女子高生に心霊写真を押し付けられた原因がこの「小暮写真館」の看板なのだ。懲り懲りしながら写真の調査に、ひとまずこの写真館を両親に売りつけた不動産屋に向かうのだった。
心霊写真かあ、とちょっとかまえたのは最初だけ(※ファンタジックなものはあまり好きじゃないので)。宮部さんのあの人情味があふれる文章でいっぱいの一冊になっている。少し悲しくて、温かい。花菱一家が抱えるぎこちなさ、ちぐはぐさの正体や、不動産屋の愛想なしの垣本さんの抱える問題。話が進むにつれて明らかになっていき、それに向き合う英一にエールを送りました。物語は終わってしまいましたが、なんだか幸せな風が吹いた一冊。この先には笑顔があるのかなあ、と思いました。

10位「丕緒の鳥」/小野不由美
ええと連作じゃない短編集だからどう紹介しようか。
「丕緒の鳥」:国王登極の際、鳥に見立てた陶器を射る行事がある。その意匠を担当していた丕緒は苦悩を抱えていた。
「落照の獄」:死刑が廃止されて久しい柳国。凶悪殺人犯の出現に世論は死刑を望み、暴動が起きそうなほどだ。秋官瑛庚は苦悩しながら決断を迫られる。
「青条の蘭」:山毛欅林を救うために青条という植物を王宮へ届けるため、標仲は想像を絶する過酷な道を急ぐ。
「風信」:幼いころ両親を惨殺された蓮花。生き延びた彼女は暦を作る下級役人たちの手伝いをするのだが、大変な時にこんなことをしている自分と周囲に苛立ちが募るのだった。
一行目からしゃんと背筋が伸びました。悲しくて、希望と絶望、再生と滅亡への予感を感じさせる鋭さが魅力です。そして込められた想いは、感情論だけではなく論理的で、論理的だからよけい感情も響いて、切なくもなりました。正しさってなんだろう…(<哲学的な私)。

次点:「天地明察」/冲方丁、「船に乗れ!」/藤谷治、「メインディッシュ」「邪馬台」/北森鴻、「真夏の方程式」/東野圭吾、「モーツァルトは子守唄を歌わない」/森雅裕、「虚構推理・鋼人七瀬」/城平京、「八月の魔法使い」/石持浅海

タイトル賞(タイトルセンスのみの評価なので内容は吟味しません)
「少女外道」/皆川博子
「銀河帝国の弘法も筆の誤り」/田中啓文

==========
正直かなり迷いましたこのランキング。
ミステリランキングとノンミステリランキングで別々にしようかなあなんて迷ったりもしながら、そしたら書き終わらないの! ますます迷ってしまって(苦笑)。まあ、違和感も感じつつしっくりきているところもあります。なかなか面白い読書経験が出来た一年だったかなあ…。
来年も! たくさん本を読みます。

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