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No.989
2018/02/04 (Sun) 23:42:37

読了「蝶のいた庭」。
久々洋書。洋書のスケールは好きなのですが、名前が覚えられないのと、すうっと入りにくいので敬遠しておりましたが、その「入りにくさ」についてようやくヒントをつかめました。
国内小説は客観的な心情描写が多く、海外小説は直接的な心情描写と情景描写が多い気がします。あと脇役の行動もちょくちょく描写されているので、取調室なら俯瞰で見ている感じ。
例えば「目を細めた」「顔をゆがめた」「言葉を吐き捨てた」等で、「人物」(内面)を繊細に描いているのが日本の小説。カメラワークとしては一つ一つの風景や人物に焦点が当たっている感じかな?
海外の小説はなんていうか「コーヒーをかき混ぜながらマジックミラー越しの少女をじっくり観察
した。彼女は机に投げ出された腕をかきむしりながら窓の外を見つめ、私の隣でボブがバーガーにかぶりついていた。」いや違うな。難しい。なんていうかとにかく情景描写と人物の描写が直接的で、とにかく映画っぽいんですよ。中心人物たち以外の人も動いて目まぐるしい。
閑話休題。

まだ海外の小説になれていませんが、この「蝶のいた庭」は素晴らしかったです。
処女たちをさらって「蝶」として育てるガーデンと、管理人の庭師。少女たちの背中にはそれぞれ違った蝶の刺青が色鮮やかで痛々しく、そこに庭師の狂気と執着を感じます。
中心人物であるマヤの語りは捜査員の真意からはわざとずらしています。しかしガーデンでの生活が、そこで暮らす少女たちが鮮やかに浮かび、捜査員の質問そっちのけでのめりこませます。目を覆いたくなるような出来事が語られますが、話がつながって、読者は驚きとともに狂気のガーデンを閉ざすことができます。

少女たちを誘拐し、乱暴し、コレクションにしていくことを「彼女たちのため」と疑わない庭師の行動はおぞましいのですが、マヤという少女の語りによって素晴らしい物語になっています。
さあみなさんも狂気の世界をのぞいてみませんか?

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