※個人の趣味によるブログです。基本的に本を読んでます。
No.617
2013/12/02 (Mon) 23:15:17
No.616
2013/12/01 (Sun) 22:11:11
10月11月に全く読書をしなかったので、12月は読みますよっ。200冊は達成しそうです。
漫画をあまり読まず、購入しても年に4冊前後だろうという感じで、今年は「あれ、1冊買ったかなあ」レベルなのですが、先日2冊注文しましたよおおお!
少しマニアックな漫画で、発売年的にも普通の本屋さんにはおいてないだろうなあと判断し、ネットの本屋さんで。入荷待ち状態で2週間以上経過してます(苦笑)。一緒に注文した本も届かない状況で、はてさて次に何を読もう…と呆然としてます。
内容のいかんによっては、自分の中で出来上がりつつある面白ランキングに変動があるはずです。ドキドキ。楽しみです。早く届かないかなあ。一日千秋の思いです。
ネタは金曜日に書いたからいいとして、めちゃくちゃマニアックな話はまた今度。
多分伝わらないのが前提の、わたしの飛行機事情のようなものです(笑)。マニアックなところを割愛すれば、最近のブームは地形の特定。「あ、これは○○半島か」「あれは○○川かな?」「○○島って結構大きいなあ!」「○○湖はどこ?」と。暇を持て余したため、いろいろこじらせた乗客です(笑)。ドリーミン・ネズミ・ランドの特定が次に飛行機に乗るときのマイミッションです(笑)。飛行ルートを特定して尚且つ夜のフライトでも解らなかったから、無理かもしれません。
そういえば、わたしがまだほんのリトルガールで世の中はバブリーだったころ、かんたんなガイドあったような気がします。「あと数分すると右手側に富士山が見えます」というアナウンス。
漫画をあまり読まず、購入しても年に4冊前後だろうという感じで、今年は「あれ、1冊買ったかなあ」レベルなのですが、先日2冊注文しましたよおおお!
少しマニアックな漫画で、発売年的にも普通の本屋さんにはおいてないだろうなあと判断し、ネットの本屋さんで。入荷待ち状態で2週間以上経過してます(苦笑)。一緒に注文した本も届かない状況で、はてさて次に何を読もう…と呆然としてます。
内容のいかんによっては、自分の中で出来上がりつつある面白ランキングに変動があるはずです。ドキドキ。楽しみです。早く届かないかなあ。一日千秋の思いです。
ネタは金曜日に書いたからいいとして、めちゃくちゃマニアックな話はまた今度。
多分伝わらないのが前提の、わたしの飛行機事情のようなものです(笑)。マニアックなところを割愛すれば、最近のブームは地形の特定。「あ、これは○○半島か」「あれは○○川かな?」「○○島って結構大きいなあ!」「○○湖はどこ?」と。暇を持て余したため、いろいろこじらせた乗客です(笑)。ドリーミン・ネズミ・ランドの特定が次に飛行機に乗るときのマイミッションです(笑)。飛行ルートを特定して尚且つ夜のフライトでも解らなかったから、無理かもしれません。
そういえば、わたしがまだほんのリトルガールで世の中はバブリーだったころ、かんたんなガイドあったような気がします。「あと数分すると右手側に富士山が見えます」というアナウンス。
No.615
2013/11/29 (Fri) 20:17:03
まったく関係のないwebサイトで、まさかの京極ネタに出会ってしまった時の破壊力の件。
なんだか忘備録みたいになってしまった(笑)。
あとでネタかマニアックな話でもしに登場す予定です。この世に不思議な事など何一つないのだよ、関口君。
※※※追記※※※
海沿いの道を車が走る。びゅんびゅん変わる景色に、助手席の楸瑛が目だけでメーターを確認すれば、案の定、制限速度を随分オーバーしていた。
度重なる不詳事のせいで、役人に対する世間の目は厳しく、また、メディアはそんな風潮を煽るような書き方をしている。閑散とした田舎道とはいえ、気をつけるに越した事はない。
「絳攸」
「………」
「絳攸?」
返事がないからもう一度ドライバーの名を呼んだ。
「このご時世、我々霞が関の役人に対する世間の目はドライアイスよりーー」
「楸瑛」
「ん?」
「その話、どうしても今しなきゃならないものか?」
運転席の絳攸は、切羽詰まった声をあげ、前のめりになりがちがちに肩をいからせ、額に汗を浮かべ、必死の形相でハンドルをきっていた。ーーそういえば、絳攸が運転する車に乗るのは初めてだな、ということに思い当たった楸瑛だが、そこからは考えるより先に言葉が口を付いていた。
「いいや。後で、うん。後ででいい、かな。運転の邪魔をしてすまない」
どうにか笑顔で言い切った。
※姫宮な絳攸(「螺鈿迷宮」参照)
なんだか忘備録みたいになってしまった(笑)。
あとでネタかマニアックな話でもしに登場す予定です。この世に不思議な事など何一つないのだよ、関口君。
※※※追記※※※
海沿いの道を車が走る。びゅんびゅん変わる景色に、助手席の楸瑛が目だけでメーターを確認すれば、案の定、制限速度を随分オーバーしていた。
度重なる不詳事のせいで、役人に対する世間の目は厳しく、また、メディアはそんな風潮を煽るような書き方をしている。閑散とした田舎道とはいえ、気をつけるに越した事はない。
「絳攸」
「………」
「絳攸?」
返事がないからもう一度ドライバーの名を呼んだ。
「このご時世、我々霞が関の役人に対する世間の目はドライアイスよりーー」
「楸瑛」
「ん?」
「その話、どうしても今しなきゃならないものか?」
運転席の絳攸は、切羽詰まった声をあげ、前のめりになりがちがちに肩をいからせ、額に汗を浮かべ、必死の形相でハンドルをきっていた。ーーそういえば、絳攸が運転する車に乗るのは初めてだな、ということに思い当たった楸瑛だが、そこからは考えるより先に言葉が口を付いていた。
「いいや。後で、うん。後ででいい、かな。運転の邪魔をしてすまない」
どうにか笑顔で言い切った。
※姫宮な絳攸(「螺鈿迷宮」参照)
No.614
2013/11/27 (Wed) 21:10:11
ようやく、多少はふざけたことが言える状況というか気分になったので、登場しました。
ええと、タイトルでそれとなく察することが出来るかもしれませんが、祖母が大幅に体調を崩しまして、会いにいき、出来うる限りの(といってもわたしはほぼ戦力外ですが、それほど人手がないので)ことをしていました。
抜本的な改善策はないにしろ、一息つける状況になったので、こうして出てくることが出来ました。
想像できませんけど、とても苦しくて、痛くて、大変だと思いますが、それでも私たちからしたら、生きているだけでいいのです。それだけで支えになる。こちらのエゴが多大に含まれます。だって、大切な人がどうしようもないくらい24時間苦しんでいるのをよしとしているのですから…。
この境界がゆらぎそうになりながら、でも今はほっとしてます。
峠と言われた期間がありました。
結構いろいろ諦めてました(頑張ってくれているみたいで今はほっとしてます)。
こういうときでも(最悪を回避してるからともいえますが)、本の題名を日記のタイトルに持ってくくらいわたしは本が好きなのですが(苦笑)、読書をしているとまあいろいろはっとする瞬間があります。啓蒙というか、なんというか。
で、別の本なのですが「好き好き大好き超愛してる」という本で、その「はっ」というのを何度も体験しまして、今回はもうひたすら想いを伝えました。
「もう一度、おばあちゃんとお話がしたいよ!」
と。周りにうちの関係者がいないときを狙って(苦笑)。
この一言を、意識がない中でしたが、伝えられたというのは私にとっては大きかったです。
いやもう、本当に自分の中でのけじめなんですよね。
はっきり言って自分のためです。エゴの塊かッ!
それほど好きだよ、っていうこっちの気持ちです。しかし言えたってだけで、少しは後悔はなくなる。言わなければいつかきっと後悔する。そう思って。
聴覚って確か結構強いと聞いたことがあるので、聴こえていればいいなあ、と思って。
というわけで、復活しますイエス!
※今回の日記のタイトルに使った本ですが内容は、流れで彼氏の家に同棲している鬱で過眠の女の子の話です。なので全く日記の内容とは関係ないですよー。
No.613
2013/11/21 (Thu) 23:46:22
No.612
2013/11/17 (Sun) 21:04:13
No.611
2013/11/12 (Tue) 00:28:02
楸瑛はめったに怒ったりしない。
感情を率直に表し生きていくことは、貴族社会や朝廷ではあまりにも危ないし、なにより奇抜を突き抜けたような弟の存在も大きな理由だ。龍蓮のおかげでというかおかげというかおかげというか――龍蓮のせいで想像し得ないあれこれをめくるめく体験してきたから、予測不可能な出来事には多少の耐性がある。
どんなときでもなるべく冷静に、冷静に。
だから今も一呼吸おいて自分の置かれた状況を十分把握して、理解しようとして、でも無理だったから再び一呼吸おいて、置かれた状況に若干絶望しそうになりながら、ある事情のせいで紗がかかってるが、座ってる楸瑛を対面で見下ろしている人物の顔を見つめて、全てを穏やかに取り繕って訊いた。笑顔が若干引き攣ってるのはこの際愛嬌だ。
「絳攸、これはどういうことかな?」
顔に被された虫取り網を箱入りの淑女よりも慎ましやかにつまんだ。
「お前、それがなんだか知らないのか?」
紗がかかった視界が、竹の棒の部分を掴んで全くもって冷静沈着に問いかけてくる絳攸を認めた。
「うん。知ってると思うけど私は蝶や蝉じゃないよ」
「お前が蝉より立派なものか。考えてからものを言え」
「え、私蝉以下なのかい?」
「蝉の方がはるかにカッコいいだろ。お前など足元にも及ばん!」
決して昆虫と張り合いたくもないが、劣っていると断言されると、それはそれで傷付く楸瑛であった。
「これはな、楸瑛。獲物を捕まえる道具で、昔黎深様に頂いたんだ」
あの人絡みかと思うとようやく絳攸のこの奇行に得心がいった。同時に項目的には龍蓮と同じ棚に並んでいる黎深が関与しているとなると、とんでもなく恐ろしい。黎深、その名だけで攻撃力があるが、いやここは冷静に。冷静に対応してこそ藍家の男。
「で、その心は?」
ニッと笑った絳攸が網越しに顔を寄せてきた。
「捕まえた、楸瑛。これでお前は俺のものだな」
「!」
反射的に絳攸の手首をつかんで抱き寄せてから気付いたのは、網が邪魔で口付が出来ないということだった。
=====
思わぬシュールな雰囲気に仕上がりました(笑)。そして季節感ゼロです(笑)。
突然降ってきたネタなのですが、多分円城塔さんの「道化師の蝶」(※数回前の芥川賞受賞作)をまた読みたいなあ、と思っていたからでしょうね。着想を捕まえられました。イエス!
感情を率直に表し生きていくことは、貴族社会や朝廷ではあまりにも危ないし、なにより奇抜を突き抜けたような弟の存在も大きな理由だ。龍蓮のおかげでというかおかげというかおかげというか――龍蓮のせいで想像し得ないあれこれをめくるめく体験してきたから、予測不可能な出来事には多少の耐性がある。
どんなときでもなるべく冷静に、冷静に。
だから今も一呼吸おいて自分の置かれた状況を十分把握して、理解しようとして、でも無理だったから再び一呼吸おいて、置かれた状況に若干絶望しそうになりながら、ある事情のせいで紗がかかってるが、座ってる楸瑛を対面で見下ろしている人物の顔を見つめて、全てを穏やかに取り繕って訊いた。笑顔が若干引き攣ってるのはこの際愛嬌だ。
「絳攸、これはどういうことかな?」
顔に被された虫取り網を箱入りの淑女よりも慎ましやかにつまんだ。
「お前、それがなんだか知らないのか?」
紗がかかった視界が、竹の棒の部分を掴んで全くもって冷静沈着に問いかけてくる絳攸を認めた。
「うん。知ってると思うけど私は蝶や蝉じゃないよ」
「お前が蝉より立派なものか。考えてからものを言え」
「え、私蝉以下なのかい?」
「蝉の方がはるかにカッコいいだろ。お前など足元にも及ばん!」
決して昆虫と張り合いたくもないが、劣っていると断言されると、それはそれで傷付く楸瑛であった。
「これはな、楸瑛。獲物を捕まえる道具で、昔黎深様に頂いたんだ」
あの人絡みかと思うとようやく絳攸のこの奇行に得心がいった。同時に項目的には龍蓮と同じ棚に並んでいる黎深が関与しているとなると、とんでもなく恐ろしい。黎深、その名だけで攻撃力があるが、いやここは冷静に。冷静に対応してこそ藍家の男。
「で、その心は?」
ニッと笑った絳攸が網越しに顔を寄せてきた。
「捕まえた、楸瑛。これでお前は俺のものだな」
「!」
反射的に絳攸の手首をつかんで抱き寄せてから気付いたのは、網が邪魔で口付が出来ないということだった。
=====
思わぬシュールな雰囲気に仕上がりました(笑)。そして季節感ゼロです(笑)。
突然降ってきたネタなのですが、多分円城塔さんの「道化師の蝶」(※数回前の芥川賞受賞作)をまた読みたいなあ、と思っていたからでしょうね。着想を捕まえられました。イエス!
No.610
2013/11/09 (Sat) 11:25:55
昨日帰りがけ、お花屋さんで薔薇のキャンペーンをしていたので、包んでもらいました。うん、なんか女子力高いって感じがしません(笑)? ええ、本当に女子力が高いならば、自ら「女子力高い」なんて言いません何故ならそれがあたりまえだから。
香りが強い物を一本いれたので、高貴な空気を漂わせています。
さてさて、今回は詰め合わせではなく練習です。SF苦手な割にSFネタが多いのは、はてどうしてでしょう?
思わぬ長さになり、サイトにアップしようかと思ったのですが、少しイロモノ系といいますか気にしすぎだとは思いますがちょっと問題アリかもしれないので、何がきてもOKという方のみ、お読みください。SFで言ったら結構王道だと思うのですが(<いう程SFを読んでない人間の説得力のない一言)、原作が中華ファンタジーなので階が違うので、一応警告をば。
=====
一定時間が経過すると自動で節電モードになる通信装置がパッと光を放つ。歪が生じた画面が一人の男の像を結んだ。白衣を着た男だ。手元の機材を操っているのだろう、伏し目がちだった眼がモニターに向く。珍しい紫色を溶かした瞳が、ぱっと広がった。
「地球のみなさん、元気ですか?」
「ああ、もうそんな時間か」
手を止めて振り返りモニターを見上げ、誰かがぽつりと呟いた。毎週月曜日の朝九時。決まった日時に全館放送されるこの通信は、時計代わりにもなっている。
「やあ、絳攸。元気かい? そっちの――月面基地は変わりがないかい?」
スピーカーを通して別の男の声が響き渡った。月面基地の絳攸とともに、ここの研究員ならだれもが知っている人物のものだ。
月に基地が創設されてから一世紀が経過した。週間行事である月との通信は開設当時から滞りなく行われている。
「月面基地は相変わらずだ、藍室長――いや、長官に就任されたのですよね。おめでとうございます」
「おや、耳が早いね。とはいっても来月からだよ」
「それは失礼しました。それで報告だが――」
階級が変わらないと解った瞬間、いつもの口調に戻る絳攸に、スピーカー越しでも相手が苦笑したのが解った。
楸瑛はマイクロフォンの電源をオフにした。
月へ送られているライブ動画のワイプに映って消えたのは、十年以上変わらない姿をしている自分だ。一方磨き上げられた柱に映し出されたのは、男の盛りをいくつか過ぎた顔だった。今の楸瑛がそこにはいる。
月の方の通信が切れたのが解ったのは、画面がブラックアウトしたからだ。ワイプされた楸瑛と同じく、十年以上ずっと変わらぬその姿に、沈痛な面持ちをした。
舌の上にあの日のビールの味が蘇る。振り払おうと書類を広げたが、無駄だった。
澄んだ空に浮かぶ三日月が、とてもきれいな夜だった。
あの日、ふと眼をやると絳攸が楸瑛の部署の入り口に立っていて、親指でクイッと外を示したのだった。
仕事の鬼の絳攸が珍しいと意外に思いながらついていけば、通称ブラック・ボックスにつれて行かれた。別名、開かずの間。その実態は「これ、十年前の資料だけどいるのかな」「いや、いらないと思うけどでも、もしかして使うかもなあ」「うーん、なら取敢えずとっておくか」という姿勢のもと、何でもかんでも詰め込まれるようになった資料室という名の、深く闇に閉ざされた一室だ。古くから所属する研究員曰はく、あそこにしまったものは二度と見つからないんじゃよ――そんな部屋だ。
白衣のポケットから鍵を出してドアを開けると、センサが感知して自然に明かりがともった。
圧倒的な量を誇る書類やプロトタイプ、サンプルに加え、自転車、人体模型、歯型、不気味なアンティークドールに、カーニバルの仮面と鬘にコスチューム、何故か縄跳やらなんやらの闇鍋状態。絶対に二度とあける気がないだろう、という梱包され転がっている段ボールの上に絳攸がどかっと腰を下ろしたから、向かい合って座ればビールの缶が差し出された。どこから出したか解らなかったから楸瑛は非常に驚いたし、それよりも絳攸が仕事中にアルコールを摂取することが衝撃だったから、まじまじと缶のロゴとそれを手荷物研究者の顔を見つめた。
「なんだ、いらないのか?」
「いや、いる。いるいる! はい、カンパーイ!」
ムッとして引っ込めようとする手から素早くビールを奪って、プルトップを開け缶を合わせた。――うん、うまい。仕事中の一杯ほど美味しい物はないな。同じく缶に口を付けた絳攸を横目で確認してから楸瑛は切り出した。
「で? こんなところに呼び出したりなんかして、何かあったのかい? 失恋でもした?」
「つまらん冗談はやめろ。――月面基地の局長に任命された。来週の会議で正式発表があると思う」
「ええ! 本当!?」
「というわけで楸瑛、ちょっと月まで行ってくる」
こんな誰も近寄らないところに連れ込まれたからには、何か秘密の話があるに違いないとは思っていたが、予想外に重大な告白に、咳き込んだ楸瑛だった。しかし当の本人のあっさりとした様子に思わず苦笑が漏れる。絳攸と言う人間は満足な研究が出来る環境なら、月だろうと火星だろうとブラックホールだろうと砂漠だろうとツンドラだろうと構わないのだ。それにしても――。
「まったく…。重大なプロジェクトも、君が言うとそこいらにホットドッグを買いに行くくらいにしかきこえないね。任期は? 二年だっけ?」
「ああ。来週から訓練三昧で年明けに出発予定だ。だから研究は今が追込みだ」
「そっか。うーん、二年か。…長いなあ。心からおめでとうと言いたいしそんな気分でいっぱいだけど、やっぱり長いなあ。寂しくなる」
「二年なんてあっという間だろ」
「そうかい?」
「そうだ。現についこの間まで冬服を片付けないとと思っていたら、いつの間にか夏が終わって秋がきたことに今朝気付いた。あっという間に一年が経っていた。そして実は去年の夏の記憶がほとんどない。ほら、二年なんてあっという間だろ?」
「………。うん。私もそう思えるよう仕事に精を出すよ」
「それがいい。――楸瑛」
「ん?」
「留守は任せた」
「諒解」
クスリと笑って、ちびちびとビールを飲んだ。せめてこの時間が少しでも長く続くように――。
しかしそれから十年、絳攸は帰ってこなかった。
異例の若さで大抜擢された月面基地の九代目局長が月に渡って数か月後、巨大な隕石が基地から50km地点に落下し、多大な被害を及ぼした――らしい。公式な数字があるにもかかわらず「らしい」というのは正確な情報か判断できないため、そう表現するしかないのだ。
――週に一度の月との交信が真実を伝えているとは限らない。モニター越しの絳攸が嘘をついている可能性がある。
隕石のもととなった小惑星は、突撃する前に宇宙ゴミにぶつかりいくつかに分解され、比較的大きなものは地球と月の重力均衡地点に留まり、また無数の宇宙ゴミを生み出した。電波が妨害され通信手段は不安定なものとなり、現地局員を助け出そうにも分解された小惑星の残骸が月と地球の間に広がり、行き来が非常に困難になってしまった。
毎週月曜日、月との更新だけが38万km離れた衛星との繋がりを保っている。電波が繋がりにくい状況では、電力が消費されやすいから月曜日だけ。月面基地でどれ程の電源が確保できているのか不明だ。
もともと基地の施設には強力な発電機や、野菜の栽培スペース、鶏と魚の飼育スペース等の快適な生活を維持するため完全にコントロールされた空間が存在し、例えば月で生まれた子供10人が一生過ごしても余りある環境が用意されている。しかし、隕石の衝撃波によって機能が低下したはずだ。
楸瑛はブラックアウトしたモニターを見つめる。
画面に映し出された絳攸は偽物。そう、プログラムだ。
月面基地局員の――絳攸の生存は不明だということは、今は皆が知っている。
恐らく――。楸瑛は何度も絳攸の思考をトレースした。トレースしては遣り切れなさで一杯になってきた。
恐らく絳攸は隕石衝突の後、急いでプログラムを組み立てたのだ。計測データをもとに、月の状況を伝えられるような図面を引いて。何があっても地球との交信が途絶えないように。月の現状を報告できるように。そして、心配かけないように。誰に対する心配? ――それは。
楸瑛は苦笑した。
「君の誤算は十年後もプログラムが滞りなく動作していることかな? 優秀すぎるのも考えものだね」
変わらぬ姿の絳攸。早くからその可能性に気付いた楸瑛ならずとも、今は皆知っている。
だから楸瑛も応答用のプログラムを組み立てた。何があっても絳攸との交信が途絶えることのないように。もし、本物の――生きた絳攸が交信を耳にしたときに、自分の声を、姿を届けることが出来るように。
絳攸のプログラム同様老いがないのは、ちょっとした皮肉だ。君のイタズラなんてとっくに気付いているよ、という。
――ハロー絳攸。そっちはどんな様子?
開かずの間で一緒にビールを飲んだあの日から経過した歳月によって、変わってしまった顔から眼をそらして、心の中で通信を続ける。
――留守を任されたし、君を待ってがむしゃらに働いていたらいつの間にか長官にまでなってしまったよ。優秀な部下のおかげで私の仕事量はかなり減ったし――。仕事に精を出して以前みたいに時を忘れるってわけにもいかないんだ。だから、早く帰っておいで。でないと。
重厚な机に広げられた書類。隕石落下のせいで長年頓挫していた月面探査の計画書の準備はもう出来ている。
=====
うわ、SFって難しい、と書きながらくじけそうになりました(苦笑)。書かないつもりでいた展開を書くことになったり、あああーお。
や、初めは後の世界で二人ともプログラムになっちゃったよー、という設定でショートショート的にするつもりだったのですが、練習として載せるにしてもあまりかなあ、とソフトにしてこうなりました。
最近ネタが枯渇しそうな恐怖に襲われます(苦笑)。本を読めばいろいろ着想が湧く気がするので、さあ読書の秋が始まる、かも? あ、立冬過ぎたので冬ですか。
香りが強い物を一本いれたので、高貴な空気を漂わせています。
さてさて、今回は詰め合わせではなく練習です。SF苦手な割にSFネタが多いのは、はてどうしてでしょう?
思わぬ長さになり、サイトにアップしようかと思ったのですが、少しイロモノ系といいますか気にしすぎだとは思いますがちょっと問題アリかもしれないので、何がきてもOKという方のみ、お読みください。SFで言ったら結構王道だと思うのですが(<いう程SFを読んでない人間の説得力のない一言)、原作が中華ファンタジーなので階が違うので、一応警告をば。
=====
一定時間が経過すると自動で節電モードになる通信装置がパッと光を放つ。歪が生じた画面が一人の男の像を結んだ。白衣を着た男だ。手元の機材を操っているのだろう、伏し目がちだった眼がモニターに向く。珍しい紫色を溶かした瞳が、ぱっと広がった。
「地球のみなさん、元気ですか?」
「ああ、もうそんな時間か」
手を止めて振り返りモニターを見上げ、誰かがぽつりと呟いた。毎週月曜日の朝九時。決まった日時に全館放送されるこの通信は、時計代わりにもなっている。
「やあ、絳攸。元気かい? そっちの――月面基地は変わりがないかい?」
スピーカーを通して別の男の声が響き渡った。月面基地の絳攸とともに、ここの研究員ならだれもが知っている人物のものだ。
月に基地が創設されてから一世紀が経過した。週間行事である月との通信は開設当時から滞りなく行われている。
「月面基地は相変わらずだ、藍室長――いや、長官に就任されたのですよね。おめでとうございます」
「おや、耳が早いね。とはいっても来月からだよ」
「それは失礼しました。それで報告だが――」
階級が変わらないと解った瞬間、いつもの口調に戻る絳攸に、スピーカー越しでも相手が苦笑したのが解った。
楸瑛はマイクロフォンの電源をオフにした。
月へ送られているライブ動画のワイプに映って消えたのは、十年以上変わらない姿をしている自分だ。一方磨き上げられた柱に映し出されたのは、男の盛りをいくつか過ぎた顔だった。今の楸瑛がそこにはいる。
月の方の通信が切れたのが解ったのは、画面がブラックアウトしたからだ。ワイプされた楸瑛と同じく、十年以上ずっと変わらぬその姿に、沈痛な面持ちをした。
舌の上にあの日のビールの味が蘇る。振り払おうと書類を広げたが、無駄だった。
澄んだ空に浮かぶ三日月が、とてもきれいな夜だった。
あの日、ふと眼をやると絳攸が楸瑛の部署の入り口に立っていて、親指でクイッと外を示したのだった。
仕事の鬼の絳攸が珍しいと意外に思いながらついていけば、通称ブラック・ボックスにつれて行かれた。別名、開かずの間。その実態は「これ、十年前の資料だけどいるのかな」「いや、いらないと思うけどでも、もしかして使うかもなあ」「うーん、なら取敢えずとっておくか」という姿勢のもと、何でもかんでも詰め込まれるようになった資料室という名の、深く闇に閉ざされた一室だ。古くから所属する研究員曰はく、あそこにしまったものは二度と見つからないんじゃよ――そんな部屋だ。
白衣のポケットから鍵を出してドアを開けると、センサが感知して自然に明かりがともった。
圧倒的な量を誇る書類やプロトタイプ、サンプルに加え、自転車、人体模型、歯型、不気味なアンティークドールに、カーニバルの仮面と鬘にコスチューム、何故か縄跳やらなんやらの闇鍋状態。絶対に二度とあける気がないだろう、という梱包され転がっている段ボールの上に絳攸がどかっと腰を下ろしたから、向かい合って座ればビールの缶が差し出された。どこから出したか解らなかったから楸瑛は非常に驚いたし、それよりも絳攸が仕事中にアルコールを摂取することが衝撃だったから、まじまじと缶のロゴとそれを手荷物研究者の顔を見つめた。
「なんだ、いらないのか?」
「いや、いる。いるいる! はい、カンパーイ!」
ムッとして引っ込めようとする手から素早くビールを奪って、プルトップを開け缶を合わせた。――うん、うまい。仕事中の一杯ほど美味しい物はないな。同じく缶に口を付けた絳攸を横目で確認してから楸瑛は切り出した。
「で? こんなところに呼び出したりなんかして、何かあったのかい? 失恋でもした?」
「つまらん冗談はやめろ。――月面基地の局長に任命された。来週の会議で正式発表があると思う」
「ええ! 本当!?」
「というわけで楸瑛、ちょっと月まで行ってくる」
こんな誰も近寄らないところに連れ込まれたからには、何か秘密の話があるに違いないとは思っていたが、予想外に重大な告白に、咳き込んだ楸瑛だった。しかし当の本人のあっさりとした様子に思わず苦笑が漏れる。絳攸と言う人間は満足な研究が出来る環境なら、月だろうと火星だろうとブラックホールだろうと砂漠だろうとツンドラだろうと構わないのだ。それにしても――。
「まったく…。重大なプロジェクトも、君が言うとそこいらにホットドッグを買いに行くくらいにしかきこえないね。任期は? 二年だっけ?」
「ああ。来週から訓練三昧で年明けに出発予定だ。だから研究は今が追込みだ」
「そっか。うーん、二年か。…長いなあ。心からおめでとうと言いたいしそんな気分でいっぱいだけど、やっぱり長いなあ。寂しくなる」
「二年なんてあっという間だろ」
「そうかい?」
「そうだ。現についこの間まで冬服を片付けないとと思っていたら、いつの間にか夏が終わって秋がきたことに今朝気付いた。あっという間に一年が経っていた。そして実は去年の夏の記憶がほとんどない。ほら、二年なんてあっという間だろ?」
「………。うん。私もそう思えるよう仕事に精を出すよ」
「それがいい。――楸瑛」
「ん?」
「留守は任せた」
「諒解」
クスリと笑って、ちびちびとビールを飲んだ。せめてこの時間が少しでも長く続くように――。
しかしそれから十年、絳攸は帰ってこなかった。
異例の若さで大抜擢された月面基地の九代目局長が月に渡って数か月後、巨大な隕石が基地から50km地点に落下し、多大な被害を及ぼした――らしい。公式な数字があるにもかかわらず「らしい」というのは正確な情報か判断できないため、そう表現するしかないのだ。
――週に一度の月との交信が真実を伝えているとは限らない。モニター越しの絳攸が嘘をついている可能性がある。
隕石のもととなった小惑星は、突撃する前に宇宙ゴミにぶつかりいくつかに分解され、比較的大きなものは地球と月の重力均衡地点に留まり、また無数の宇宙ゴミを生み出した。電波が妨害され通信手段は不安定なものとなり、現地局員を助け出そうにも分解された小惑星の残骸が月と地球の間に広がり、行き来が非常に困難になってしまった。
毎週月曜日、月との更新だけが38万km離れた衛星との繋がりを保っている。電波が繋がりにくい状況では、電力が消費されやすいから月曜日だけ。月面基地でどれ程の電源が確保できているのか不明だ。
もともと基地の施設には強力な発電機や、野菜の栽培スペース、鶏と魚の飼育スペース等の快適な生活を維持するため完全にコントロールされた空間が存在し、例えば月で生まれた子供10人が一生過ごしても余りある環境が用意されている。しかし、隕石の衝撃波によって機能が低下したはずだ。
楸瑛はブラックアウトしたモニターを見つめる。
画面に映し出された絳攸は偽物。そう、プログラムだ。
月面基地局員の――絳攸の生存は不明だということは、今は皆が知っている。
恐らく――。楸瑛は何度も絳攸の思考をトレースした。トレースしては遣り切れなさで一杯になってきた。
恐らく絳攸は隕石衝突の後、急いでプログラムを組み立てたのだ。計測データをもとに、月の状況を伝えられるような図面を引いて。何があっても地球との交信が途絶えないように。月の現状を報告できるように。そして、心配かけないように。誰に対する心配? ――それは。
楸瑛は苦笑した。
「君の誤算は十年後もプログラムが滞りなく動作していることかな? 優秀すぎるのも考えものだね」
変わらぬ姿の絳攸。早くからその可能性に気付いた楸瑛ならずとも、今は皆知っている。
だから楸瑛も応答用のプログラムを組み立てた。何があっても絳攸との交信が途絶えることのないように。もし、本物の――生きた絳攸が交信を耳にしたときに、自分の声を、姿を届けることが出来るように。
絳攸のプログラム同様老いがないのは、ちょっとした皮肉だ。君のイタズラなんてとっくに気付いているよ、という。
――ハロー絳攸。そっちはどんな様子?
開かずの間で一緒にビールを飲んだあの日から経過した歳月によって、変わってしまった顔から眼をそらして、心の中で通信を続ける。
――留守を任されたし、君を待ってがむしゃらに働いていたらいつの間にか長官にまでなってしまったよ。優秀な部下のおかげで私の仕事量はかなり減ったし――。仕事に精を出して以前みたいに時を忘れるってわけにもいかないんだ。だから、早く帰っておいで。でないと。
重厚な机に広げられた書類。隕石落下のせいで長年頓挫していた月面探査の計画書の準備はもう出来ている。
=====
うわ、SFって難しい、と書きながらくじけそうになりました(苦笑)。書かないつもりでいた展開を書くことになったり、あああーお。
や、初めは後の世界で二人ともプログラムになっちゃったよー、という設定でショートショート的にするつもりだったのですが、練習として載せるにしてもあまりかなあ、とソフトにしてこうなりました。
最近ネタが枯渇しそうな恐怖に襲われます(苦笑)。本を読めばいろいろ着想が湧く気がするので、さあ読書の秋が始まる、かも? あ、立冬過ぎたので冬ですか。
No.609
2013/11/06 (Wed) 21:50:07
去年かな? 今年の初めかな?
隆慶一郎の「死ぬことと見つけたり」を読みまして、「この本はまだ自分には早い」とパタリと上巻の初めの方で本を閉じました。歳を重ねてから再び手にて取る予定です。その時に「面白い」と思えるといいな、なんて思ってます。
しかしながら作者の体験を交えた読了部分は壮絶で、もととなった「葉隠」もいつかは読みたいです。
なーんて思っている現在の妄想は全く関係なく、潜入捜査で育ちの悪いふりをする楸瑛と無学なふりをする絳攸です。
しかしながら楸瑛は絳攸にダメ出しを喰らい戦力外通告。かわりに絳攸が育ちの悪いふり、タンタン君を起用し頭の悪いふりをさせる(「心配するな。お前はそのまんま普段通りに振る舞えばいい」「なんかそれはそれで傷付くんだけど」「そのまんまでこの男よりよっぽど役に立つ」「あー…」「ちょっと、私の顔を見て納得するのはやめてくれない」)、というドタバタな枠だけはあります。
設定だけでエピソードはゼロ。なんで詰め合わせにもできないです。
隆慶一郎の「死ぬことと見つけたり」を読みまして、「この本はまだ自分には早い」とパタリと上巻の初めの方で本を閉じました。歳を重ねてから再び手にて取る予定です。その時に「面白い」と思えるといいな、なんて思ってます。
しかしながら作者の体験を交えた読了部分は壮絶で、もととなった「葉隠」もいつかは読みたいです。
なーんて思っている現在の妄想は全く関係なく、潜入捜査で育ちの悪いふりをする楸瑛と無学なふりをする絳攸です。
しかしながら楸瑛は絳攸にダメ出しを喰らい戦力外通告。かわりに絳攸が育ちの悪いふり、タンタン君を起用し頭の悪いふりをさせる(「心配するな。お前はそのまんま普段通りに振る舞えばいい」「なんかそれはそれで傷付くんだけど」「そのまんまでこの男よりよっぽど役に立つ」「あー…」「ちょっと、私の顔を見て納得するのはやめてくれない」)、というドタバタな枠だけはあります。
設定だけでエピソードはゼロ。なんで詰め合わせにもできないです。
No.608
2013/11/05 (Tue) 20:25:08
===追記===
詰め合わせパート3です。
***
ふわり、と後ろから包み込むように抱きしめられた。
力強いけれど、温かい抱擁に楸瑛は驚く。だってこの香りの主はそんなことをしそうにないから。
「こう」
「大丈夫だ楸瑛。大丈夫」
「―――」
「大丈夫、大丈夫」
身体をくっつけながらひたすら大丈夫、大丈夫、大丈夫、と呪文のように繰り返す声に、初めは不意を突かれ、段々と心の中のわだかまりが解けていく。無理して自立していた地面が揺らぐ。でもそれは我慢の限界ではなくて、力が抜けて沈みそうになるが、支えてくれる手があることを教えてくれた。
「あー…何でわかっちゃったの?」
「解らないとでも思ったか?」
くすくす、と小さく笑う振動が伝わって、答えになってないような返答に楸瑛は泣きそうになった。顔が見えないから泣いてもばれない。いや、ばれるが気付かないふりをしてくれるだろう。
「大丈夫だ楸瑛」
ギュッと力を籠められて、それが励ましてくれているみたいで、涙の代わりに気持ちを落ち着けるように一つ、大きく呼吸をした。甘えるのにも覚悟がいる自分に苦笑が漏れた。
「大丈夫」
回された手に自分の手を重ねて、「うん」と小さく応えた。
***
楸瑛に何があったのかはわたしにもわかりません(ぇ)。
ただ書きたかった、それだけです。そんなスタンスな詰め合わせ第三弾でしたあ。
最近、一人称ブームから絳攸がやたら書きやすくなって、反比例するように楸瑛が書きにくくなりました。無理やりもっていきたい方向にもっていてる感がダメなんだろうなあ…と反省会。
昔の話を読み返して憤死しそうになりながら、「こんなの書いたなあ」といろいろな意味で感慨深くなりました(笑)。うん、昔から無理やりなところは特にキャラが動いてないです恥ずかしいっ。
この大丈夫大丈夫は舞城さん「暗闇の中で子供」にあって、とても印象的なシーンでした。
この人の本は大いに意味不明でおすすめはできませんが、個人的にはあのぐちゃぐちゃなパワーと疾走感がくせになってしまっています。術中にはまった気分です。
========
お返事は一つ下にあります。ありがとうございますっ。
自炊(セルフ電子書籍化)最中、スキャン中のページをついつい読んでしまいます。あああー好きだなあ、と浸ります。内容ならほぼ覚えてますが記憶の中と実物を読むのとでは違うものです。色あせない。
初自炊です。そもそも電子書籍的なものを持っていないので、そっちも初めてです。
今回のターゲットは、中学生から高校生の頃に好きで好きで何度も読んだ、かなり思い入れのある本。す、捨てられない…! なので電子化です。その頃好きだった本なので、内容的にも電子化で読みにくいなんてことがないものなので(京極なみのヴォリュームだったり、読み込みが必要な作品または頭を使う作品はモニター越しでは目が疲れそうなので却下等という基準を設けたのです)、ちょうどいいです。
どうしても処分できない漫画なんかも電子化してもいいかも。
現時点で9冊自炊完了で、達成率50%くらいです。
一冊完成するまでに1時間弱。スキャンして、ページの抜けがないか、ちゃんと文字が収まっているかなんかを確認して、保存するまでの所要時間です。地味に疲れます。考え事には向いてます(笑)。しかし買った方が合理的なので、どうしよう…。うん、いずれ。
あまちゃん大好きな友達がいます。
わたしは通勤時間帯的に観れず、内容やら音楽やらはレモン水を100倍に薄めたくらいなら知ってます。つまりほぼ知らないってことです。
「BSは朝7時30分(?)からやってるし、再放送もあるから多い時は一日4回観た」
「何それ気持ち悪いよ!」
と突っ込みを入れた瞬間、己の所業が走馬灯のように脳内をよぎりました。
「あ、もしかして。私好きな本は4回どころじゃなく何度も読み返してるけど、それってハタからみると同じように思われてるのかな!?」と。
「絶対そうだよー!」
く、仕返しか…、と思わないでもないですが、己の発言を少しは自重しようと自覚した瞬間でした(苦笑)。
いやしかし、最近読み返すどころか読書から遠のいていて…。読まない時は読まないでもまあ平気なのですが、ふとした瞬間に「あ、読みたい」となります。今回の電子化作業は作業自体は苦痛なのですが、ちらちら眼を通しただけでも懐かしさや楽しさにあふれて幸せでした。
詰め合わせパート3です。
***
ふわり、と後ろから包み込むように抱きしめられた。
力強いけれど、温かい抱擁に楸瑛は驚く。だってこの香りの主はそんなことをしそうにないから。
「こう」
「大丈夫だ楸瑛。大丈夫」
「―――」
「大丈夫、大丈夫」
身体をくっつけながらひたすら大丈夫、大丈夫、大丈夫、と呪文のように繰り返す声に、初めは不意を突かれ、段々と心の中のわだかまりが解けていく。無理して自立していた地面が揺らぐ。でもそれは我慢の限界ではなくて、力が抜けて沈みそうになるが、支えてくれる手があることを教えてくれた。
「あー…何でわかっちゃったの?」
「解らないとでも思ったか?」
くすくす、と小さく笑う振動が伝わって、答えになってないような返答に楸瑛は泣きそうになった。顔が見えないから泣いてもばれない。いや、ばれるが気付かないふりをしてくれるだろう。
「大丈夫だ楸瑛」
ギュッと力を籠められて、それが励ましてくれているみたいで、涙の代わりに気持ちを落ち着けるように一つ、大きく呼吸をした。甘えるのにも覚悟がいる自分に苦笑が漏れた。
「大丈夫」
回された手に自分の手を重ねて、「うん」と小さく応えた。
***
楸瑛に何があったのかはわたしにもわかりません(ぇ)。
ただ書きたかった、それだけです。そんなスタンスな詰め合わせ第三弾でしたあ。
最近、一人称ブームから絳攸がやたら書きやすくなって、反比例するように楸瑛が書きにくくなりました。無理やりもっていきたい方向にもっていてる感がダメなんだろうなあ…と反省会。
昔の話を読み返して憤死しそうになりながら、「こんなの書いたなあ」といろいろな意味で感慨深くなりました(笑)。うん、昔から無理やりなところは特にキャラが動いてないです恥ずかしいっ。
この大丈夫大丈夫は舞城さん「暗闇の中で子供」にあって、とても印象的なシーンでした。
この人の本は大いに意味不明でおすすめはできませんが、個人的にはあのぐちゃぐちゃなパワーと疾走感がくせになってしまっています。術中にはまった気分です。
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お返事は一つ下にあります。ありがとうございますっ。
自炊(セルフ電子書籍化)最中、スキャン中のページをついつい読んでしまいます。あああー好きだなあ、と浸ります。内容ならほぼ覚えてますが記憶の中と実物を読むのとでは違うものです。色あせない。
初自炊です。そもそも電子書籍的なものを持っていないので、そっちも初めてです。
今回のターゲットは、中学生から高校生の頃に好きで好きで何度も読んだ、かなり思い入れのある本。す、捨てられない…! なので電子化です。その頃好きだった本なので、内容的にも電子化で読みにくいなんてことがないものなので(京極なみのヴォリュームだったり、読み込みが必要な作品または頭を使う作品はモニター越しでは目が疲れそうなので却下等という基準を設けたのです)、ちょうどいいです。
どうしても処分できない漫画なんかも電子化してもいいかも。
現時点で9冊自炊完了で、達成率50%くらいです。
一冊完成するまでに1時間弱。スキャンして、ページの抜けがないか、ちゃんと文字が収まっているかなんかを確認して、保存するまでの所要時間です。地味に疲れます。考え事には向いてます(笑)。しかし買った方が合理的なので、どうしよう…。うん、いずれ。
あまちゃん大好きな友達がいます。
わたしは通勤時間帯的に観れず、内容やら音楽やらはレモン水を100倍に薄めたくらいなら知ってます。つまりほぼ知らないってことです。
「BSは朝7時30分(?)からやってるし、再放送もあるから多い時は一日4回観た」
「何それ気持ち悪いよ!」
と突っ込みを入れた瞬間、己の所業が走馬灯のように脳内をよぎりました。
「あ、もしかして。私好きな本は4回どころじゃなく何度も読み返してるけど、それってハタからみると同じように思われてるのかな!?」と。
「絶対そうだよー!」
く、仕返しか…、と思わないでもないですが、己の発言を少しは自重しようと自覚した瞬間でした(苦笑)。
いやしかし、最近読み返すどころか読書から遠のいていて…。読まない時は読まないでもまあ平気なのですが、ふとした瞬間に「あ、読みたい」となります。今回の電子化作業は作業自体は苦痛なのですが、ちらちら眼を通しただけでも懐かしさや楽しさにあふれて幸せでした。
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