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No.160
2012/02/25 (Sat) 22:18:55

※微修正しました

「退出ゲーム」(初野さん)を読了。
え、新幹線での移動のために買いました(笑)。あと2冊別の方の本を購入してるので読むのが楽しみです。
そのうちの一つが「忌館」(三津田さん)なのですが、ひっそりとした日本家屋で読むのはね、勇気がいるんですよ…!!絶対怖いもんこの話!とシックスセンスが働きます。きっとひいひい言いながら数日のうちに読了していると思います。
好きが高じて業になるとはまさにこのことだ、と最近痛感します。

で、ですね(何か始まった笑)。
「退出ゲーム」が廃部寸前の吹奏楽部を立て直そうとする青春ストーリーミックスのミステリなのです。
これ、おいしくないですか…?ええ美味しいですよねえ。と読書中に自問自答。
廃部寸前の吹奏楽部部員李絳攸が大会出場歴のある現在は音楽をやめてしまった藍楸瑛を入部させるためにあれこれ手をつくし、尚且つその後生徒会から高額な部費をもぎ取るために色々企む、という青春話を書きたくなりました(笑)。

「藍楸瑛。△△国際コンクール中学生の部優勝」
「良く知っているね」
侮蔑を含んだ視線を楸瑛に送った。音楽を真剣にやるものが知らないはずがないのだ。どんなに弱小で廃部寸前の部活だろうと、馬鹿にされてたまるか。
「吹奏楽部に入部しないか?」
「断る。音楽は辞めたんだ」
「なら籍を置くだけでもいい」
「それも――」
「もしお前が本当に音楽に未練がないというのなら、構わないと思うが」
楸瑛は言葉に詰まり、頭に血が上った。まるで意固地になって音楽から遠ざかってるガキのような言われ方にカチンきたのだ。そんなんじゃないのに。気付いた時には言葉が口をついていた。
「いいよ。勝手にすればいい」
しまったと思ったのはその言葉を聞いた絳攸が満足そうな顔をしたのを見た時だ。この台詞を言わせたかったのだ。
「よし。ならここに名前を書いて、チェックマークをいれろ」
用意周到に学年クラスと出席番号に加え連絡先までしっかりと明記された入部届けを後ろから出した絳攸に、早まったと思ったが後に引き返せる状況じゃなかった。やばいぞ、と思いながら差しだされたボールペンを手にして、名前を書き言われるがままに部分の四角にチェックする。ますます追い込む状況を作り上げてどうするんだ。
「よし。大会での実績があるお前が入ったからこれで部費が前年比200%アップをごり押しできる。いやこの顔をフル活用して部員数を増やせば300%以上も十分射程内だいやどうせなら500%とふっかけてその後…」
ぶつぶつと続く独り言にえ、私の存在理由ってそれだけなの、いくらなんでも500%は無理なんじゃあ、というか詐欺まがいの方法で、と楸瑛が呆れていると喜色を浮かべた後思案する光を湛えた瞳が真っ直ぐに向けられ思わず鼻白む。
「藍楸瑛。全日本吹奏楽コンクールまで毎日部室に顔を出すように」
「ちょっと話が違う!」
「何言ってるんだ。部則に同意しただろ」
「部則!? そんなもの知らないね」
「何言ってるんだ。ちゃんとチェックを入れただろ」
「チェック!? そんなの――」
思い当ってしまった。あれか!
「それにしても君が私に命令する権限なんてないね!」
掴みかかる勢いで叫んだ楸瑛の眼前に、はらりと相撲文字で書かれた紙が姿を現した。
紙の一番右端には流麗で力強いフォントで「吹奏楽部部則」と黒々と縦書きで書かれている。驚いたことに手書きなことに今気が付いた。

吹奏楽部の部員たる者、

一・部長の命令は絶対。逆らうべからず。
一・部長命令違反は懲罰に値する。罰とはすなはち裸で逆立ちして町内一周である。
一・部室は神聖な場所である。日々の掃除を欠かすべからず。

と十個ほどの規則が続く。
この後予想できる展開は、楸瑛にとっては全くもって歓迎できるものではなかった。だって裸で町内会一周、しかも逆立ちでだ、なんてやりたくない。
そんな楸瑛の内心を思いっきり歯牙にもかけた様子もなく、かといって勝ち誇った様子もない絳攸は真っ直ぐに告げた。
「俺が吹奏楽部部長だ」
詐欺だ。絶対に詐欺だ。未成年だからってやっていいことと悪いことがこの世にはあるはずだ。
呆れやら憤りやら怒りやらが混然一体となって楸瑛は完全に言うべき言葉を失った。
「別にお前に練習を供用するつもりはない。ただ、部室には毎日顔を出せ。一時間後には帰宅していい」
「命令なんだろ。私は練習しないからね」
煮え切らない思いを押さえてがしがしと頭を掻く。頭に血が上ってしまった楸瑛の完敗だ。詐欺にでもあった気分。色々人生の勉強になったと思えば――いや割り切れないけど。
「楸瑛」
そんな気軽に読んで欲しくないんだけど、という思いを込めて部長殿下を見返せば予想外の真剣な顔と対面してしまって面喰う。
「俺がお前に音楽の楽しさを思い出させてやるよ」
そういって連れて行かれた部室は、魔窟のような様相で、全員裸で逆立ち町内一周をすべきだと心の中で突っ込んだ。

こういう感じ?
押せ押せな絳攸さまもいいと思います!

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