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No.232
2012/05/08 (Tue) 23:37:26

拍手ありがとうございますっ!

今ずっと考えていることがあって、京極サイトを作ろうか、なんですけど(苦笑)。
小説サイトとかじゃなくて、分析サイト的な? 「○○」の本はこう読め的な?
(例:「塗仏 始末」の各章の文頭数行に注目して読むべし。「××」という共通点がある」という感じ)
(例:「巷説百物語」のp△△の一文は、七五調になっている」とか)

本当に、完全なる自己満足の世界になりそうで、それこそ読み込まなければならなくなるのが面倒で(言葉を濁そうよ)、やってませんが。
いつか彩雲更新ストップしたら、やろうかなあ、という段階です。

折りたたみは京極愛を叫んだエッセイ的な?
好きすぎてつらい。

2009年4月末日から5月の頭。ゴールデンウィーク中に、バイトしながら読んでいたのは今でも大好きな「項羽と劉邦」だった。面白くて面白くて、この本を買った自分が誇らしくなるほど、嬉しくて楽しくて輝いて。バイトの休憩時間、ご飯を食べる時間がもったいなくて、急いで搔き込んで読書に熱中した。
ゴールデンウィーク後。さて、次に何を読もう、と迷ったわたしは、買いだめしていた本の中でもとりわけ目立つ、背表紙が4,5センチはあるんじゃないだろうか、と思える分厚い本を選んだ。
数日前、地元の本屋で購入した「魍魎の匣」だ。一作目「姑獲鳥の夏」がおいていなかったから、驚くほど圧倒的なプレゼンス、それこそ他者を威嚇するような存在感を抱いた本をしぶしぶ買ったのだ。
読めるかな、という心配があった。
だって題名からして、難しいのだ。そして長い。なんで上下巻に分けないんだろうと思うほど長い。1000ページもあるから、持ち歩くのがまず大変だ。
そもそも読む気はなかった--というと語弊があるが、推理小説にはトンと疎かった。
小学生のころは、「名探偵コナン」だとか「金田一少年の事件簿」にそれなりにはまったクチだが、面白いのになぜだか腑に落ちない思いを抱いた。長じるにつれてミステリからは遠ざかってしまった。思い出したように数年に一度、推理小説を読むこともあったが、それだけだった。
そして3年前。次何読もうかな、とリビングのソファでくつろぎながらつぶやいたわたしの一言に、母がなんとも無責任な言葉を返したのだ。
「きっとあの人が好きだと思うよ。やたら難しい題名の本を書く人」
そうして上げた名前こそが京極夏彦だった。
どんなジャンルを書くのかさっぱり不明で、調べてみたらなんとわたしが敬遠してきた推理小説ではないか。それを伝えるとまた、無責任に母は言う。
「違うよ、時代小説とかを書いてるんだよ」
「読んだことあるの?」
返事はノーだった。
それ以来、頭の隅に京極夏彦の名前が刻まれた。そして、一冊くらい読んでみるか、と思い購入したのだった。

まだ梅雨入り前の日だった。わたしが初めて氏の本を読んだのは。
冒頭の古文を読むのに苦労し(後に適当に読み飛ばすようになったが)、そして本編突入したすぐに世界から音が消えた。
--とんでもない本だった。
ぐいぐいと引っ張られ、文字に吸い付くけられてしまったかのごとく、本から目が離せなくなってしまった。
病的なごとく「みっしり」の世界を体現する挿話、思わず納得してしまうような薀蓄、魅力的で怪しい世界観、「箱」「匣」「筥」の符号、連続する不可解な事件。物語としての楽しさ。漢字の一つ一つにこだわりを感じる文章力。そしてロジカルな解決。
不気味な世界に、ぞくぞくしながら、それでも当時は2日かけて読み切った。
左手でつかむ、残りのページ数が少なくなる感覚に、「ようやくここまで来たか」という達成感と、「いつまでも終わってほしくない」という切なさを感じる、贅沢な時間。幸せな読書。かけがえのない体験。
物語として、推理小説がこんなにすごいものだと初めて知った。
いや、もちろん事件の数々、それを解決していく様も圧巻で、本当に大げさではなく初めて、そういった推理小説の醍醐味を楽しんだ。そして子供の時感じた、ミステリ漫画やアニメの違和感を、全く感じないほどのめり込んだ。
それからひと月、私の世界はまるまる京極夏彦に支配された。文庫化している既刊をすべて読み、著者の他のシリーズも読破し、いまだ文庫化していない本を追いかけ少し遠い図書館に出かけ、読み切った。
いつの間にか梅雨前線が関東を覆っていた。
それから、わたしは数々の魅力的な推理小説と出会うこととなる。

初めて京極夏彦氏の本を読んだ正確な日時は定かではないが、おそらく3年前の今頃。
まだ夏になる前。
私にとっては推理小説を好きにしてくれた偉大な作家に、今も感謝している。

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