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No.39
2011/10/10 (Mon) 18:34:29

またまた本の話です。
柴錬賞を京極の「西巷説物語」が受賞しましたー。久々の京極の受賞です。
が、「巷説」シリーズはもの凄く大好きで大好きで大好きで特に「続」と「後」はめちゃくちゃいい本だったのにもかかわらず、この「西」は読んでていつもの魅力を感じなかったんですけれども…。

注)
好きな作家の作品なだけに辛口なのです。結構「面白ければいーじゃーんっ!」なタイプなので、普段はこんな毒を吐かないんだよっ!と弁解してみる。
文章のうまさは言うに及ばずなので、本屋大賞「謎解き」とかと比べ物にならない出来栄えです。
他の作品と比較し残念だったなーという話(読了当時の感想)が以下に続きます。

ネタばれOK、京極は読まないだろうな、という方のみ折りたたみへどうぞ。

京極夏彦の作品ま毎回ち密に計算されているから「完璧」なイメージが多かったが、「西」はどうにも咀嚼され切れてない感じがあって、退屈な部分も多かった。どうした京極。「巷説」シリーズは描写というか文体と言うか、七五調などを交えて流れるように弾むように読めるのが、魅力の一つだったのに、今回はいつもよりテンポがどうもつかみにくかった。どうした京極!
そのかわり台詞部分はやっぱりいい。読ませる会話だ。
又市のような考え抜かれたある種「現場主義」とチームワークで大掛かりな仕掛けをするわけではない、スケールの小ささが不満だが、それが西の雅な雰囲気に合っているのかもしれない。江戸は都と言っても所詮田舎だから、泥臭いまでに必死になっている又市に西のきらびやかさは会わないのだろうから、林蔵の洒脱が活きてた。
ただ、構成部分を言及すると、犯人ありき、の小説で、どの部分が矛盾と嘘を見分けるという趣向だったのが、どうにも解せない。一話目の途中から違和感がひしひしと伝わってきて、「もしかしてこうなんじゃないか」と簡単に思わせてしまい、それがまあどんでん返しなく的中してしまうのだ。二話目以降も同じ構成で行くから、新鮮さが欠ける。あるいみミステリ初心者には優しい本かもしれないが、京極夏彦=すごいミステリを創るとインプットされている立場としては、ちと不満。もちろん面白いのだが…不満。
灰汁がまったくあっさりしすぎてしまった料理のような、作品。

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