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No.441
2013/04/14 (Sun) 23:26:58

上治六年七月十二日 藍楸瑛から紫劉輝への手紙

我が君、紫劉輝様
お久しぶりです。元気にしてらっしゃいますか。暖かくなってきたからといって、冷たい物ばかり食べていないでしょうね。布団を蹴っ飛ばしてお腹を出して寝てないでしょうね。風邪ひきますよ。気を付けてください。
相変わらずこちらの情報網はすごいとしか言いようがございません。例えば主上が昨日、池の蛙を眺めながら三回くしゃみした、絳攸が難しい顔で同じ回廊をグルグル回っていて(迷っていたに違いがありません)、ごくつぶし官吏たちが戦々恐々していたなんていうことまで瞬く間に届くのですから。驚きから呆れを通り越してぞっとします。
ところで凌晏樹様のフンドシは桃色で、葵長官のフンドシの色が青っていう風の便りまであるのですが、本当ですか? 彼らの情報網を有効利用すれば、晏樹様の尻尾も捕まえられる気がします。やはりぞっとします。
先ごろ正式な書翰をお届けしたとおり、こちらは軒並み安定しております。雨量も例年並みで、異常気象でも起きない限りそれなりの年貢の収穫があるでしょう。人口増加に伴い新田開発奨励の計画が持ち上がっています。商品作物の禁を緩和するかどうかでひと波乱がありそうです。
そうそう、一時期州都で多発していた強盗も私が指揮を執りました囮作戦が功を奏し捕まえることに成功し、夜の活気が戻ってきました。胸を撫で下ろしています。お忍びで町に降りて、経済の活性化を肌で感じています。嬉しい限りです。絳攸がなにやら酒を見繕っておけと言っていたので、美味しい酒をみつけました。きっと絳攸なりに寂しがっているのでしょうね。今度持っていきます。人目を盗んで昔みたいに三人で飲みましょう。
さて、この間絳攸から珍しく手紙が来た、私の愛が伝わったのかなと思ったら、これまたいつも以上に意味不明で。そっけないにも程がある、友達がいならぬ恋人がいのない奴だ、と次第に腹が立ってきました。しばらく怒りながら部屋の掃除をしていたら、もしかして何かの暗号なのか、と閃きまして。いろいろ試してみました。まず文字を一つずつずらしてみたり、並べ替えてみてもいみふめいなだけでした。そこであぶり出しかなと思って蝋燭の火にかざしてみたところ、焦げ臭くなっただけで慌ててひっこめました。そんな子供だましではなくて、特別な技術を使った物かと思いまして色々薬品をかけてみたのですが、それでも何も起こりませんでした。何かご存知でしたら教えていただけますか? 絳攸からの手紙を同封しておきます。勝手にこんなことしたと知ったら怒るかもしれませんから、どうぞ内密にしておいてください。お願いします。あ、ちゃんと返してくださいね。
それでは、また近況報告をいたします。
何かございましたら遠慮なくお申し付けください。あなたがお困りなら、この藍楸瑛、飛んでまいります。


上治六年七月八日 李絳攸から藍楸瑛への手紙

そんなことはない。
俺もだ。
ああ。そうだな。
美味しい酒を見つけておけ。


上治六年七月三日 李絳攸から紫劉輝への手紙

我が君
お元気そうで何よりです。縁起でもないことを仰るのはいただけませんが、助言には素直に従おうと思っていますので、ご心配なさらないでください。
こちらも相変わらず目が回るような忙しさです。三月前のひと騒動の後、後追いの依願退職者が出て人手不足で多少混乱しましたが、どうにか落ち着いてきたところです。余所者扱いは変わりませんが、あの一件以来、多少歩み寄ってくれる官吏も出てきて、仕事がやりやすくなりました。どこにでもああいう税金泥棒の勘違野郎はいるもので、幾らでも湧いて出てくるとなれば駆除にいとまがありません。手っ取り早く吏部にでも放り込んで精魂叩きなおしてやりたいところです。一人くらい吏部官を寄越していただけるよう、後ほど正式に依頼するかもしれません。
先だってご報告したとおり、水道設備拡張の工事が始まりました。州都では現在人口が急速に増加しています。都市部の水の需要を満たすだけではなく、郊外にも広げることで過密状態を改善する計画です。また湯屋も増え、衛生面も改善されるでしょう。
こちらの名物に魚の味噌漬けがあります。先日作り方を教わりましたので、慶賀の時にでも御馳走します。酒は楸瑛の野郎にでも用意させて一緒に飲みましょう。
また手紙を書きます。


上治六年六月二十九日 紫劉輝から李絳攸への手紙

絳攸、久しぶりなのだ。
元気にしてるか? 余は元気だぞ。本当は少し寂しいが、大丈夫だ。悠舜も十三姫も珠翠もいる。秀麗も先々で手紙を出してくれているしな。旺季には毎回すげなくされ、凌晏樹には馬鹿にされたように笑われているが、勝手に養子縁組したため拗ねていたリオウの機嫌もようやく直ったみたいで、この間桃を剥いてもらったのだ。悠舜はなんだか少し体調が悪そうで、余が休めと言っても言うことをきかなくて困る。邵可に相談したら漢方薬入りの父茶をそっと出してくれたのだ。あの時の悠舜の顔は今思い出しても笑えるぞ。でも悠舜の顔色がよくなったからよかったのだ。
おせっかいだと思われるかもしれないが、迷っていないか心配なのだ。遭難してそのまま…なんてなって一生会えなくなったら余は泣くぞ。想像しただけで涙が…。道に迷ったら人に聞くんだぞ。新しい土地だ。しばらくは誰も不審に思わないはずだ。
そういえば絳攸、そなた楸瑛とはどうなっているのだ? 少し前に楸瑛から手紙が届いたのだが、絳攸がつれないと嘆いておったぞ。なにやら絳攸はが冷たいと楸瑛が嘆いていたぞ。会いたいと思っているのは私だけなんでしょうか。好きだと思っているのは私だけなんでしょうか。愛してる。会いたい。いつも想ってる。
だとかなんとか。読んでて恥ずかしくなったぞ。白状すると余にこんな手紙を送られても困るのだが、まあ秀麗にウン年越しの片思いをしているから解る。イヤなくらいな。どんなやり取りがあったのかしらないが少し不憫だと思うぞ。
こんなことを書くとまた怒られそうだが、少し素直になってみたらどうだ? 手紙だと顔が見えないから、本当の気持ちが書きやすいんじゃないか? 普段伝えたくても伝えられないことを伝えてみたらどうだ?


*****
ぐだぐだになってきたので終わり。

考えていた段階では「いい!」と思っていたのですが、自分で書くと文章力ひ弱なせいか大したことがなかったー。
読み返してわかりにくいと思ったので、ちょっと書いておきます。

劉輝から絳攸への手紙の中にある楸瑛から劉輝への手紙の内容

会いたいと思っているのは私だけなんでしょうか。好きだと思っているのは私だけなんでしょうか。愛してる。会いたい。いつも想ってる。



絳攸から楸瑛への手紙


そんなことはない。
俺もだ。
ああ。そうだな。
美味しい酒を見つけておけ。


が間接的にリンクしてますって話です。劉輝の素直になれっていう助言に従って、こうなりましたってことですが。
解りにくいー(苦笑)。

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